「君が僕を見つけた日」
The time traveler’s wife
2009年 アメリカ
自分の意志とは関係なくタイムスリップしてしまう、どうにも困った体質を持つ男性と愛を保ち続ける家族の物語。不思議なストーリーですが、そのもどかしく切ないシナリオに心を揺さぶられるものでした。
意図しないタイムスリップが度々起きてしまうためにストーリーも複雑に思えてしまいますから、最低2回じっくり観ないとシナリオの深さが分からないかもしれません。
現代の流れとタイムスリップした時の流れとが交互に出てきますので、主人公の姿も同時に出現する場面があります。その点が複雑に感じてしまうでしょう。
キャスト
クレア レイチェル・マクアダムス
ヘンリー エリック・バナ
リチャード アーリス・ハワード
ゴメス ロン・リビングストン
ケンドリック博士 スティーブン・トボロウスキー
スタッフ
監督 ロベルト・シュベンケ
製作 デデ・ガードナー、ニック・ウエクスラー
脚本 ブルース・ジョエル・ルービン
製作総指揮 ブラッド・ピット、リチャード・ブレナー、
ミシェル・ワイス、ジャスティス・グリーン
それでは、さっそくこの映画パンフレットを観ながら物語を想い出してみましょう。
【 あらすじ 】
あるクリスマスの夜、6歳のヘンリーは母と一緒に車に乗って家路に向かいながら一緒に歌を歌っていました。
すると途中で突然、車が凍っていた道路によってスリップしてしまいます。
その瞬間、ヘンリーは自分の手が消えていくのに気が付き、「お母さん!」と叫びます。
そこで母はヘンリーの体が消えていくのを見るのでした。
気が付くと、ヘンリーは裸で2週間前の夜に戻っていました。そして、目にしたのは家族3人でリビングでくつろぐ もう一人の自分の姿でした。
その光景を見たヘンリーは思わず一瞬目を塞ぎます。すると今度は雪が積もった道路に裸で瞬間移動しており、そして自分が乗っていた車がトラックと衝突事故を起こすのを見るのでした。
その時、知らない男性が現れます。
「大丈夫だよ、君は僕なんだよ!」 その男性は、今のこの事情を教えて消えていきました。
それから何十年の月日が流れます・・。大人になったヘンリーは図書館に務めていました。
ある時、ヘンリーは図書館に来ていたクレアという若い女性と出会います。
彼女はヘンリーを見ると、まるでヘンリーをずっと探していた様に近づいてきました。
彼はクレアに見覚えがないので困惑したが、彼女の誘いに仕方なく再度会うことになった。
そこでクレアは、彼女が6歳の時にヘンリーと会っていることを話し、驚くことにヘンリーが消えていく秘密も知っているのだった。
想えばヘンリーは、何故か少女だった頃のクレアに幾度か会いに行っていたのだ。
そしてその時からクレアは、ずっとヘンリーのことを探していたのである。
ヘンリーもクレアのことを運命に感じ、その夜は共に過ごすのだった。
時は溯り、まだクレアが少女だった頃・・
クレアは独りで庭へ向かい、そこで遊ぼうとしていました。
そこへ現代の姿でヘンリーが現れる。少女に自分の不思議な体質のことも話した。
束の間だったが別れ際にヘンリーが目の前で身にまとったタオルを残し、本当に自分の目の前から消えていく姿を見ると、彼が話していたことが全て真実であるとクレアは分かった。
時は現代に戻り・・
クレアと出会ったヘンリーは、彼女に様々なことを打ち明けた。
タイムスリップしてしまう体質について、なぜか自分では何も制御できない事や着ている服すら持って行けないこと、過去の人に会って話すことは可能だが寿命は防げないことなど、彼が今までの体験で解っていることを話した。
ある夜 クレアは友人のチャリスとゴメスを食事に招いて、ヘンリーを紹介した。
数日後、偶然にもゴメスはヘンリーの姿を見かけるが、怪しいヘンリーに疑いを抱く。しかしタイムスリップで姿を消した姿を目にすると信じるしかなかった。
慌てたゴメスは、クレアにヘンリーと一緒になるのは心配だと伝えに行くが、彼女の意志は固かった。一方、ヘンリーも父親へ相談に行くが母の指輪を受け取ると、クレアと一緒になる決心がついた。
結婚式を挙げることになった当日のこと、準備をしていたヘンリーは突然タイムスリップしてしまった。しかし間もなく、なぜか白髪が混じっている若干歳を取った姿で戻って来たので、式は無事に終えることができた。
式が終わった後その戻ってきたヘンリーは姿を消し、消えていた本来のヘンリーが現れた。
クレアとの結婚後も、ヘンリーは幾度もタイムスリップを繰り返してしまう。いつ消えていつ戻って来るのかも分からない生活。そんなクレアは、クリスマスや記念日なども独りで過ごすこともあったため、不満が溜まっていくのだった。
ヘンリーはクレアに申し訳なく思って、未来にスリップした時に当たることが分かっている宝くじを買ってきたのだ。そしてその当選した宝くじを使って、二人は新居を手に入れた。
ある日、新居に友人のゴメスとチャリスを招いたが、その夜に銃で撃たれた裸のヘンリーが現れるのだった。それは今いるヘンリーも見たのだ!
すぐに消えてしまったが、未来にヘンリーは銃で撃たれるのだと知った。
あんな姿を見てしまい不安を募らせていた二人であったが、ふとクレアは「思い起こせば、40歳半ば以降のヘンリーに会ったことがないのよ!」「でもタイムスリップで何か変えられる方法があるかもしれないわ!」と言う。
しかし、寿命は変えられないことを知っているヘンリーは無理だと答えた。
二人は解決策を見つけるため、遺伝子専門のケンドリック博士を探して尋ねることにした。
ヘンリーからタイムスリップ体質について聞かされるが、当然に博士は信じない。
一方で、何度かヘンリーとの子供を流産してしているクレアだったが、ヘンリーは
「もしかして、子供はタイムスリップしているのでは?」とも考えていた。
この事もケンドリック博士に話してみようと、もう一度訪ねることにした。
博士はヘンリーをCTで調べることにした。
しかし、その時に突然消えてしまったヘンリーを見ると、信じるしかなかった。
博士はクレアに妊娠は諦めるよう勧めるが、クレアは納得しなかった。
仕方なくヘンリーは、クレアを妊娠させないように自分の体に避妊手術を行うが、それを聞いたクレアは怒ってしまう。
そんな夜、独りでクレアが寝ているとヘンリーから電話がくる。それは少し前の(まだ手術をしていない時の)ヘンリーからだった。
そのヘンリーに呼び出されたクレアは、そのヘンリーと愛し合うのだった。
そして翌日、今のヘンリーにそのことを話した。
それからクレアは妊娠し、お腹の子供も順調に大きくなっていくにつれ、その子は女の子であるとも知る。
そんな時タイムスリップしたヘンリーは未来へ飛び、10歳頃に成長していた自分の娘アルバと会う。
アルバはヘンリーに「私もタイムスリップできるのよ!時も選べるのよ」と言うのだった。
そしてまた、アルバが5歳の頃にヘンリーが亡くなってしまうことも告げたのだ!
現在に戻ったヘンリーは、アルバと話してきたことを臨月に入ったクレアに伝えた。
間もなくして、クレアは女の子を無事に出産。 そして家族の幸せな生活が続いた。
しかし、アルバが5歳になる頃、10歳になった未来のアルバがタイムスリップして来る。
10歳のアルバは、5歳のアルバ(自分)に何かを話しているのだった。
お父さんのことを聞いた5歳のアルバは、悲しそうにクレアに話す。ヘンリーとクレアはそれを覚悟しなければならないと悲しんだ。
しだいに近くなる運命の日に向けて、なぜかタイムスリップの回数も多くなっていき、クリスマスに別れの時がくることを知る。
クリスマスの日、ホームパーティーへチャリスとゴメスを招き、ヘンリーは秘密を知っているゴメスに感謝の気持ちを伝えた。
そして、クレアとの別れの時が近づいてきた。
「いつでも戻ってきてね!いつも待っているから・・」クレアは言うのだった。
気が付くとヘンリーは裸で雪の森にいた。ふと振り向くと一頭のシカが居る。
すると突如、銃声と共にヘンリーの体に銃弾が当たった。
シカ狩りのハンターがシカに向けて撃ったのだが、突然現れたヘンリーに当たったのだ。
再びタイムスリップしたヘンリーは、あの時にも現れたものだった。
そして現代に戻ったヘンリーは、ここで終わりを迎えた。
ヘンリーが亡くなってしまった後、クレアとアルバは実家で暮らしていた。
アルバが庭で遊んでいると、生きていたあの頃の(タイムスリップした)ヘンリーが現れるのだった。
「パパが来たよ~!」アルバはクレアを呼ぶ。
クレアは急いで庭へ駆けていき、ヘンリーと抱き合うのだった。
「また会いに来て!」
クレアとアルバは、ヘンリーがいつも居てくれると思いながら過ごしていくのだった。
– 完 –
いや~!ちょっとタイムスリップしたヘンリーについて複雑なところもありましたが、ストーリー的には良かったと思います。
自分の意志でその都度タイムスリップする時代を選べないというのは、今までには無かったものでですが、よく観ると所々で希望した時に飛んでいるような場面もある気がします。
ともあれ、タイムスリップものは空想上のストーリーですから、つじつまを合わせるのが難しそうです。(バックトゥザフューチャーを観た時も、つじつま合わせの難しさが分かりました・・)
また次回、心に残る良さそうな映画を記してみたいと思っています。
*今回も部分的にスクショを使用しています。