思春期の少年がだいぶ年上の女性を慕う物語・仏映画「ポケットの愛」




ポケットの愛
l’amant de poche

昭和53年 1978年制作 フランス

今ではすっかり、こういう純愛タイプのが少なくなってしまいましたが、
やっぱり 時代によって変わっていくものなんですかね~!

これまた思春期の少年がだいぶ年上の女性を慕う物語なのですが、
個人教授シリーズ」や「思い出の夏」「青い体験シリーズ」等
この頃のフランス映画って多かったんですね~こういうタイプの物語。

当時少年だった私も思春期だったせいか、いくつロードショーされても
やっぱり新しいこういう作品に飽きることは無かったんでしょうね!

大人の女性にとって、まだ大人の男にはなっていない純粋な少年が
とても新鮮で愛おしく感じてくるのは、やっぱり母性愛の影響
あるのでしょうかね~

今回のこの映画「ポケットの愛」は邦題ですけど、物語を観ていくと
もっと違う邦題があったかもと思いますが、日本語は難しいものです。

エレナ役ミムジー・ファーマー
ジュリアン役パスカル・セリエ
カポ役 ステファン・ジョベール
ジュリアンの父 セルジュ・ソーヴィオン
ジュリアンの母 アンドレア・フェレオル
ジスペール   ベルナール・フレッソン
マルティーヌ  エヴァ・イオネスコ

制作 クリスティーヌグース レナル
監督 ベルナール・クイザンヌ

それでは、さっそくこのパンフレットを見ながら
簡単に物語を思い出してみますかね~

【あらすじ】簡単に追想

15歳のジュリアンは同級生のカポとパーティー帰りに
寄ったスナックでエレナという30歳近くの女性を誘い
家に連れて来ていた。

大人っぽく振る舞っていたジュリアンだったが、いざとなると
恥ずかしがってしまい、エレナに純粋さが伝わった。

翌朝目覚めるとエレナはすでに居なく、バカンスから帰った母親に
起こされたのであった。母は何か女の匂いを感じてジュリアンを叱った。

ジュリアンはエレナという女性にもう一度会いたかったが、ある日
エレナの方からジュリアンを高級車で学校に迎えに来たのだ。

彼女の居るホテルの部屋に入るとジュリアンは驚いた。まるで富豪の
住まいの様な贅沢な設備だったからである。

ジュリアンは「エレナはきっと富豪の奥さんなのだ」と思った。
エレナの夫の目を盗んで会っている事にとても大人になった自分を感じたのだった。

しかし後日、なかなかエレナからは連絡が来なかったので
ジュリアンは授業やガールフレンドなど頭に入らなかった。

エレナへの思いが頂点に達した頃、エレナは連絡してくれたのである。
彼女の部屋で留守番メッセージを聞くと、嫉妬で彼女に知らせず消去したが
純粋なジュリアンの嫉妬にエレナの怒りはなかった。

そしてジュリアンは友達と行くと嘘をつき、エレナと週末に旅行へ行った。
しかしジョゼという女が二人の仲を知って、引き離そうとしていた。

エレナが財政界のトップを相手にしているという事が解ったジュリアン。
学校でカポにからかわれたりした。

エレナは財政界に利用されている自分が嫌いだった。今の心の救いは
ジュリアンだけだったが、そのジュリアンの留守録に失望したエレナは
クラスメートといる場所へジュリアンに恥をかかせに行った。

エレナに別れを告げられる気がしたジュリアンは、家出してエレナの処へ。
二人は内緒で別荘に過ごしに行った。しかしエレナは最後のひととき
を決めていたのだった。しばらく二人の幸せな時間があった。

そしてある時、エレナはジュリアンの寝顔に別れを告げ、
ジュリアンの父親に連絡した。

ジュリアンを迎えに来た父親がジュリアンへエレナのメッセージを伝える。
その言葉と共に、エレナとの幸せな日々が終わったのであった。

ジュリアンの悲しみを父親の胸板が受け止めていた。

このパンフレットの解説部分に「ハッピーエンドとはならないハッピーエンド
という恋の物語とありますが、少年の頃には判らないその言葉の意味が
深くあるんですよね~!

それは歳を取ってからしか判らないものなんですけど、
私もそうでしたから。

「もし、このままこの人と一緒に居たら、こうなっていただろう」という現実。

恋が実って一緒になれた時は、夢中ですからね~!
やぼな事などは考えられないものです。

もっとも、そこに青春時代という貴重な体験が刻まれるのですけどね!

だから、若い時はそれでいいのです。

*   *   *

今回もまたご一緒に追想いただき、誠にありがとう御座いました。