人生の幸福とは何か?を想い起こさせる映画「天使のくれた時間」




天使のくれた時間 】The Family man

2000年 アメリカ 映画   ニコラス・ケイジ主演

仕事的にも経済的にも充分に得られている中年の独身者が、ふと本当の人生の幸せとは何だったのかを気づかされる物語。

もしあの時、別の決断をしていたのなら果たしてどうなっていたのかを体験させられる「バタフライ・エフェクト」という映画にも似ているような感じがありますが、人生がやり直せるならばと身につまされる人もいるかもしれません。

全ての中年の方が今の生活を踏まえて、思い起こせば「もしあの時もう一方の道を選んでいたなら・・」と考えさせられると思います。

監督 ブレット・ラトナー

脚本 デヴィッド・ダイアモンド
デヴィッド・ウェイスマン
製作 マーク・エイブラハム
トニー・ルドウィグ
アラン・リッシュ

製作総指揮
アーミアン・バーンスタイン
トーマス・A・ブリス
アンドリュー・Z・デイヴィス

音楽  ダニー・エルフマン

CAST

ジャック・キャンベル -ニコラス・ケイジ

ケイト・レイノルズ -ティア・レオーニ

キャッシュ・マネー -ドン・チードル

アニー・キャンベル -マッケンジー・ヴェガ

ピーター・ラシッター -ジョセフ・ソマー

それではさっそく、映画パンフレットを観ながら物語を簡単に思い出してみましょう!

【あらすじ 物語かんたんに】

1987年、空港で銀行の研修でロンドンへ旅立とうとしているジャック・キャンベルは、恋人のケイトの不安をよそに「二人は大丈夫だよ」と振り切って飛行機に乗っていった。

そしてその13年後、あれから経済界で成功を得たジャックは、ある金融会社の社長になっていた。

NYの高級マンションに暮らして経済的にも裕福な生活をしていたが、13年前に空港で分かれたケイトとはそれきりで、今では既に過去の思い出となっていた。

イブの夜、近いうちに大きな取引を控えているジャックの会社会議が終わった後に、秘書から

ケイトという方から電話があり、後で連絡が欲しいとのことです。

遠い昔に恋人だったけど、今さら連絡なんて必要ないだろう・・」とジャックは連絡先が書かれたメモを捨ててしまう。

何故かこの夜は何となく歩いて帰ることにしたジャックは、会社を出るとすぐに空から粉雪が降ってくるのを感じる。

歩いて帰る途中にジャックはある店に寄って買い物をしていると、怪しい黒人青年(キャッシュ)がロトの換金に店へ入ってきた。

しかし、店員はその当たりくじは偽物だと言って拒否していた。すると怒ったその男は拳銃を出して店員を脅してきたのである。

ジャックはその光景をみて、「私がその券を買うよ!これは正式なビジネス取引だ

真剣に言うジャックに、拳銃を降ろしたキャッシュは

わかったよビジネス取引だな!よし行こうぜジャック!」と・・一件落着となった。

店を出たジャックはキャッシュに

こんな拳銃を持ち歩くような生活は辞めて、まともな人生を作らないか?」と説得するが

あんたは全て持っている様だが、これから起こる事にも責任を感じるんだな・・!

と言って去って行った。

翌朝、ジャックは目覚めると自分のお腹の上に誰か女性が頭を載せて寝ているのに気付く。

クリスマスなんだだから、もうちょっと寝かせてよ・・

すると間もなく、女の子が赤ちゃんを抱いて部屋へ入ってきて一気ににぎやかになった。

ジャックは何が何だか分からなく、部屋を飛び出して下へ降りていくと昔の知り合い(ケイトの父母)もちょうど訪ねてきて更に分からなくなった。

これは いったいどうなってるんだ!

慌てて車を借りNYの自分のマンションへ帰って行ったが入れてもらえず、会社へ行ってもみんな自分のことを知らないのだった。

全てが変わってしまって途方にくれていると、昨晩出会ったあの黒人青年キャッシュがジャックの愛車と同じフェラーリに乗って現れたのである!

いやぁ!ジャック、驚きだろうが、まぁ説明するから乗れよ!

どうなってんだ!これは・・分かる様に説明しろよ!

あんたは全てを持っているとか言うから、他に失ったものを教えてあげてるのさ・・

大きな取引を迎えるのに、こんなことやってられないんだよ!早く元に戻してくれ!

いくら金があっても、これは解けないぜ!自分で何かに気が付けるまでな~

一周して戻ってきた後、キャッシュはジャックに自転車のベルを渡して去って行った。

ジャックは仕方なく飛び出してきたあの家に地図を観ながら戻ることにしたが、近所や知り合いがみんな心配していた。

友人らしき男の説得に再び朝に目が覚めた家を訪れるジャックは、ケイトに突然何処へ行っていたのかを聞かれるが

ここは僕の家じゃないし、君とも結婚してないんだ!

などと説明しても信じてもらえない。

そこでキャッシュに助けを求めるために渡されたベルを鳴らしてみるが、女の子(アニー)が自転車に乗ってきてジャックからベルを取り

ありがとう!パパ」と言って、自転車に付けて行ってしまった。

今日はクリスマスよ!ジャック」 に対しジャックは「ごめん悪かった・・」と呟いた。

とにかく、無事に戻ってきて良かったわ・・

そのクリスマスの夜、友人らのパーティにケイトと参加しに行くが、全く訳が分からずで友人らとの会話にもついていけなかった。

翌朝、赤ん坊の泣き声で目が覚めるジャックはケイトに言われるままオムツを交換したり世話をすることになるが、そのぎこちない対処を見ていた長女アニー

あなた本当のパパじゃないでしょ?パパにそっくりだけど、どこか宇宙からきたエイリアンでしょ!」と言われ、そして顔のチェックをされた後に「地球へようこそ!」とアニーに言われるのだった・・

赤ちゃんを保育所へ送って行き長女をスクールに連れて行った時、自分がタイヤ店で働いていることを知る。

自分が働いているというタイヤ店へ行くと、みんなから挨拶され自分の居場所(オフィス)へ。

そこで見たのは自分が1988年にセールス賞を取った証だったが、その年はロンドンに居たはずなのだ。尚且つ、何でここで働き始めたのかも不明である。

その夜、ジャックはあらためてケイトを視ると、当時の想いが再び湧き上がってくるのを感じた。

ジャックどうしたの?まるで学生時代からずっと会ってなかった様な見方をして・・

ある日、家族でショッピングへ出かけたジャックはスーツ売り場で高級スーツを見つけ試着してみた。つい最近まで、こういう高級スーツを着ていた自分だったはずなのだ。

そんな高いの買えるわけないでしょ?さぁケーキを買いに行きましょ!」とケイトが言うと、

僕はもっと金持ちになりこういうスーツを着ていたはずなのに、どうしてこうなったんだ!

じゃあ買えばいいでしょ!子供の学資預金を解約して・・

買い物が終わってその帰り道ジャックはケイトに謝り、彼女との会話から自分がケイトの父のタイヤ店で働くことになった経緯を知るのだった。

ボーリング大会から帰ってきたある夜、ジャックは居間にあった昔のVTRを見つけて観てみると、そこには幸せそうなケイトとの場面を写した想い出だった。

ある朝、結婚記念日としてケイトからプレゼントをもらうのだが、ジャックは記念日など知らずでケイトを怒らせてしまう。

そこでジャックは意気込んで、ケイトをNYシティの知っている高級レストランへ誘った。

ジャックはケイトに自分の成功した話を語り始めるが、上級ではないが今の家族との平凡な毎日も否定できないことに気づかされるのだった。

あの時もし一緒にならなかったら、大切なもの(家族)を得られなかったでしょ?

とケイトが言う。

そして、この毎日の生活に慣れつつあったジャック。

しかしそんなある日、自分が元居た会社の会長が愛車のタイヤパンクで店に訪れる。

ジャックはこの機に金融の知識を使って会長の心を掴み、再び会社へ復職しようと試みるのだった。

ケイトにそのことを伝えるためNYの社宅である高級マンションへ案内するが、今の家から引っ越すことはできないと断られるのだった。

これで人も羨むような人生を送れるんだよ!ケイト」とジャックが言うが、それに対しケイトは

私たちは今もう送っているわ!人も羨むような人生を・・

 

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