『コーリング』(Dragonfly)
2002年 アメリカ
人は皆、大切な人との死別が必ずあるものです。その亡くした最愛の人からの「大切な知らせ」を知りたいと思いますか?これは、正にその様な物語でした。
SFやタイムパラドックス等の不思議な物語は好きですが、目には見えないスピチュアル的なものも大変興味を抱かせてくれるものです。
主役に有名なケビン・コスナーが出ていますが、どの男優だったとしても切なさを演じるのが上手ければこの物語には支障が無かったかもしれません。そのくらいシナリオは良く、ラストは感動するものでした。
ただし、「目には見えないものは信じない!」という非スピチュアルな人には向いていない物語でしょう・・
監督 :トム・シャドヤック
脚本 :デヴィッド・セルツァー
ブランドン・キャンプ
マイク・トンプソン
製作 :ゲイリー・バーバー
ロジャー・バーンバウム
マーク・ジョンソン
トム・シャドヤック
製作総指揮: マイケル・ボスティック
ジェームズ・D・ブルベイカー
音楽 :ジョン・デブニー
撮影 :ディーン・セムラー
*キャスト*
ジョー・ダロウ:ケビン・コスナー
エミリー・ダロウ :スザンナ・トンプソン
ミリアム・ベルモント :キャシー・ベイツ
ヒュー・キャンベル :ジョー・モートン
チャーリー・ディキンソン: ロン・リフキン
ジェフリー・リアドン :ロバート・ベイリー・Jr
ベン :ジェイコブ・スミス
それでは、さっそく映画パンフレットを見ながら物語を想い出してみましょう!
【物語 かんたんに】
シカゴの病院に務める医者のジョーは、妻のエミリーに会うため内政が悪化したベネゼエラへ向かったが、途中で悪天候のため電話でしか話せなかった。
エミリーは妊娠したばかりにもかかわらずジョーを説得し、アメリカから小児科医のボランティア医療のためベネズエラへ赴いてたのだった。
エミリーは現地の人らとバスで村を出るが、豪雨による土砂崩れでバスごと川へ落ちてしまったのである。
ジョーは土砂崩れした現場へ向かい、現地の捜索隊に聞くがエミリーの遺体は見つからなかった。
シカゴへ戻ったジョーはエミリーの葬儀を終えた後、寂しさに襲われる毎日を仕事で誤魔化すしかなかった。医療の職場でも友人の前でも態度が変わってしまったジョーに、みんな心配していた。
近所の親しい女性弁護士のミリアムが配達された荷物を届けてくれると、それは以前エミリーが注文していた「トンボのペーパーウエイト(紙抑え)」だった。
トンボが好きだったエミリー。不思議なことに、彼女の肩にはトンボの形をしたアザ(印)が付いていたのをジョーも知っていた。
その夜、ジョーはその重さのあるトンボのペーパーウエイトが自然に床へ落ちるのを見て、何かを感じ取るのだった。
「あんな重いものが、風によっても自然に床へ落ちるはずはないよ!」と同僚に話すが、当然に話を流される。
部長にも同僚にも休暇を取るように勧められるジョーだったが、エミリーとの約束通り小児がん病棟で子供たちを診ると決める。
病棟へ行くと、子供達を診るエミリーの写真が飾られていた。小児がんの子供達を献身的に診ていたエミリーの姿がそこに写っているのだった。
その夜、ジョーは自分の名前を呼ぶ声を聞くが姿はどこにもなく、救急で運ばれてきた子供の様子だけであった。翌日さっそくその子の病室へ行くと、すでに元気に絵を描いていた。
「この絵は何だか知ってる?」と、その子はジョーに絵を見せた。それは十字架が歪んだ様な印だった。しかしジョーにはそれが何だか、今は分かるはずもなかった。
その子は、ジョーのことを知っていると言う。夜に運ばれている自分の病室に居たと。看護師は度々この子は不思議なことを言うとジョーに話した。
そしてまた、「エミリー先生が僕を助けてくれたんだよ・・伝言があったけど思い出せない・・」と、その子は言った。その日ジョーは別の子供部屋でも、その歪んだ十字の絵を見るのだった。
ある日その別の子の病室へ訪ねると、その子はジョーに言った。
「虹のある所へ来て!と、エミリーがジョーに伝えてと・・」再び、歪んだ十字の絵を指さしたのである。しかし、ジョーはその意味がまだ分からないのである。あの歪んだ十字の意味を・・。
ジョーは近所の親しい女性弁護士ミリアムに、その子供たちが話す不思議なことを伝えるが、やはりミリアムも信じてはくれなかった。
ある日、ポストに今頃になってベネゼエラから出したエミリーからの封筒が届いた。封筒の中には、現地の様子が写った彼女の写真が入っていた。
夜に目が覚めると、飼っていたオウムが倒れているのを見ると同時に、一瞬だけエミリーの姿がガラス越しに見えたのだ。気が動転したジョーは子供に話を聞きに病棟へ向かうが、あの子には会えなかった。
帰宅するとミリアムが待っていて、部屋の床や窓に付けられた歪んだ十字の印を見せるのだった。誰が書いたのか?
ジョーは教会学校へ向かい、以前同じ病院へ務めていたシスターへ会いに行った。始めは記者だと誤解されたが、エミリーの夫だと知ると会って話を聞いてくれることになった。
ある夜、また救急患者が運ばれてきた。その患者は既に助からず、臓器移植の対象となっていた。ジョーがその体を見ていると、突然脳波計が反応してその体からエミリーの言葉が聞こえてきたのだ。
この人はまだ生きていると必死に訴えるが、ジョーは抑えられて警察へ連れて行かれる。弁護士のミリアムが迎えに来てくれたが、彼女は頑固としてジョーの言うことを信じなかった。
「エミリーはもう帰っては来ないのよ!どこにもいないの!あの家を引っ越したほうがいいわ!」ミリアムはジョーを説得するのだった。
ジョーは、この際気分転換に友人と渓流下りに行ってみようと思った。そして、渓流下りから帰ったら引越をしようと決める。
渓流下りについて友人らと約束して帰った夜のこと。引っ越しの準備にエミリーの物や洋服を箱へまとめていると、突然電球が切れた。
替えの電球を取りにいって戻ると、何かの気配を感じる。そして、今さっき箱に入れたはずのエミリーの物や服が元に戻されているのを見るのだった!
怖くなったジョーは外へ出て頭を冷やすが、確かに誰かが家に居るような気配を感じるのだ。家へ入ると、中へ入ってくる風によって渓流下りの地図が開かれる。と、なんとそこに「歪んだ十字の印」を見つけたのだ!
急いで渓流下りの友人へ電話するジョー。「地図にある歪んだ十字は何の意味を示しているのか?」
「それは、滝の印だよ!」と聞くと、ジョーはエミリーの送って来たベネゼエラから送ってきた写真を探した。そしてエミリーが写った写真には、滝と虹があったのだ。これで、やっと全ての意味が解ったのである!
次のページへ続く→