物語の終盤になってタイムパラドクス合わせが解る映画「デジャブ」




デジャヴ』(Déjà Vu)

2006年  アメリカ

この映画は終盤になってくると面白さが出てきますが、中盤までは「単なる捜査もの」と思ってしまいます。しかし中盤を過ぎるくらいから、やっとタイムスリップらしきものが出てきますので面白くなってくるのです。

主人公の捜査官が行く場所や見たり聞いたりした事を良く覚えていると、後半は一段と面白くなるはずです。初めは困惑すると思われますが、「ここが時間と出来事のつじつま合わせをされている!」という点に気づくでしょう。

結局この物語も、最後まで観終わった時には前記のパラドックス映画と同じように、疑問点が湧いてきてしまうのですが、ラストの締め以外のシーンは映画「バックトゥザフューチャー」の様に面白くできているなぁと感じました。

* スタッフ *

監督  トニー・スコット

脚本  テリー・ロッシオ
ビル・マーシリイ

製作  ジェリー・ブラッカイマー

製作総指揮

マイク・ステンソン チャド・オーマン

テッド・エリオット テリー・ロッシオ

バリー・ウォルドマン

* キャスト *

ダグ・カーリン:デンゼル・ワシントン

クレア・クチヴァー: ポーラ・パットン

ポール・プライズワーラ: ヴァル・キルマー

テロの犯人: ジム・カヴィーゼル

デニー博士 :アダム・ゴールドバーグ

それではさっそく、この映画パンフレットを見ながら物語を想い出してみましょう!

物語 かんたんに】

アメリカ・ニューオーリンズ

ある日、大勢の海兵隊の若者らと一般客らが乗っていたフェリーが出発して間もなく、大爆発を起こして多くの犠牲者が出てしまいます。

爆発物捜査員(ATF)のダグ・カーリンは、休暇中の同僚ラリーの代わりに現場へ出向き、そしてその爆発物の素材を探し出しました。

ダグは早速FBIのポールに爆発素材を見せ、単なる事故ではなくテロ行為に違いないと断言します。

ダグは事務所に戻ると、橋の録画カメラからバイクの男が真ん中で止まっている姿を不審に思う。また、ある女性から問い合わせ連絡があったと伝えられ、その女性へ電話をかけますが不在だったので留守録に携帯番号を入れておきました。

その後、ダグは保安官から連絡のあった船の爆発被害とは時間的に関係のない女性の検視へ赴きます。

その女性は右手の指が切断されいて、口にはガムテープの痕跡が残っていたのです。

そして女性の捜索願いも出されていたことで、名前はクレア・クチヴァーであることも判明。

ダグは彼女の父と会い彼女の写真を渡されると、次に彼女の住んでいたアパートへ向った。

室内へ入ると血の付いた服や出血を拭いたものがゴミ箱へ捨てられており、一丁の拳銃も置かれていた。そして、留守録を聞くと自分が連絡したあの女性のところだと知るのです。

ダグはFBIの捜査班の所へ行き、この女性と爆破事件の関連性を話すが、同時に同僚のラリーも被害者だったことを知りショックを受ける。

間もなくFBIのポールは、ダグをある場所へ招くのだった。そこは完全に極秘の場所で、一部の認められた者しか入れない技術開発部だった。そこでダグは、最新監視システムの斬新さを見せられるのである。

その監視技術は、4日前の映像を観ることができるシステムだと教えられたが、不可解なことも浮かんでしまうものだった。

ダグは4日前のクレアの部屋が観たいと頼み、彼女の様子から何かヒントを探そうとするのだが、何となく彼女自身に惹かれるものを感じてしまう

その時、彼女の部屋を捜査している同僚から連絡が入り、ダグの指紋があちらこちらに付いていると指摘されてしまうが、きちんと手袋をしていたはずだと不思議に思うのだった。

ダグは彼女の葬儀へ赴き、遠くから見守っていた時に不審な者が見に来ていたことを感じるのだが、その正体は掴めなかった。

ある時、監視システムで彼女を追っていると車を希望する男との連絡を捕え、その男とフェリー爆破との関係性が強くなった。

そしてまた、続けて彼女を画像で追っていると(こちらに気づくという)ここで最も不可解な出来事が起こるのである!

ダグが監視システムのスクリーンへペンライトを当てると、その光は画面の中の部屋へ通り抜けたのである!

これは4日前の映像ではなく、今この時点で4日前を観えるのじゃないか?分かりやすく説明してくれ!」とダグは叫んだ。

そしてポールとデニー博士らは仕方なくこの秘密を話すことにした。それはある研究中に偶然、時空の歪みを折り畳める発見をしたとの事で、それはつまりタイムスリップ技術だったのである。

それでは、ここに写っている彼女は生きているというのか?!」これがダグが一番聞きたかったのだが、ポールもデニー博士らも、答えに困ってしまうのだった。

そして「この4日前に何かを送れないものか?」とダグは問うが、全員が理論上不可能だと答えるのである。

過去は変えられなく、起きたことは必ず起きるはずなんだ!」とデニーがダグに説得するが、反対にポールはダグの熱心さに負け、メモを書いて試してみようと決める。そして、過去の自分にメモを転送して事件を知らせられるか試したのだ。

街が停電するほどの多大な電力を使用してしまったが、どうにかシステムが復活した後に見ると、驚くべきことにメモが転送できていたのだ。

だがタイミングが少し遅かったため、ダグではなく同僚のラリーがメモを読んでしまった。そして犯人を追った彼は撃たれてしまい連れ去られてしまった。画面でそれを見たダグは急いで追跡することになる。

ダグは開発されたゴーグルを持って犯人を追うが、ゴーグルには4日前の映像が写っているにもかかわらず、実際に走っているのは現在の道路という危険な追跡となった。その結果、犯人の顔も居場所も突き止めたのだ。

住処に着くとそこは既に爆発した様子の家屋と、一台の救急車が横倒しになった様子だった。博士らが観ている4日前の映像から、そこで犯人が同僚に残酷なことをしていたことが知らされる。

この後、犯人が判明したことでFBIは一斉にその男を探し出し、無事に逮捕することができた。これでこれで捜査の終了ということになったが、ダグはどうしても納得できなかった。フェリー爆破事件の多くの犠牲者と、そしてクレアーのことを諦められなかったのだ。

ダグはデニーに電話をかけたが、デニーには何で連絡してきたのか分かっていた。またその電話を聞いていたポールもそれを見逃す様に帰っていった。

人間で試したことはないし、当然に成功する保証はない。しかしダグは決めたのである。ダグに強い意志を確認したデニーは、その起動スイッチを入れたのだった。

突然手術室に現れて痙攣しているダグに、訳が分からす蘇生処置をする医者たち。ダグは気が付くと何故か病院のベッドの上に寝ていた。しばらく気を失っていたらしく、すでに爆発が起きる朝になっていた。ダグは外にあった救急車を奪うと、急いで犯人のあの住処へ走った。

その頃、犯人はクレアを縛って寝かせていた。そして燃料をかけようとした時、クレアは犯人を指で引っ搔いたのだ。それに怒った犯人は、彼女の指を切断しようとしていた。

間一髪、ダグは救急車で突っ込んでいったのだが、銃弾が肩に一発当たってしまう。そして犯人がガス爆発をさせ逃げ去ったが、ぎりぎりところで彼女を外に助け出すことができた。

生きているクレアを助け出せたタグは、キズの応急手当をしようとクレアの家へ寄る。しかしクレアは全て知るダグを疑って、ダグの事務所に電話で確かめるが居ないため伝言を残す。

ダグはクレアの家で銃弾の傷を処置すると、その血の付いた服などを置く。友人から電話が入るが、客と話しているからとすぐに切る。それらのことを見たダグは、どこかで観た光景だと思うのだった。二人はその後、急いでフェリー乗り場へ向かう。

そこはあの時の様に、海軍兵や一般の人たちがフェリーに乗り込んでいた。そしてそこには犯人も見え、彼女の車も積まれていた。

しかし一旦降りて去ろうとした犯人は、前回とは違って再びフェリーに乗り込んで来たのだ。それを見かけたクレアはフェリーに飛び乗るが、犯人に見つかってしまう。

ダグがクレアの車を見つけると、犯人は銃撃をし始めるのだった。車に拘束されてたクレアは、ダグの合図で犯人へ車で突っ込み動きを止められたのだが、爆発の時間が迫っていた。

ダグとクレアは警察の指示を振り切って、フェリーから車ごと飛び出した!

沈む車の中からクレアは逃れることができたが、ダグを閉じ込めたまま車は爆発するのだった。

こうしてフェリーも爆発せず乗客全員も無事で降りることができたが、クレアは爆弾の犠牲となったダグに悲しんでいた。

そこに爆発物捜査員のダグ・カーリンがやってきて、「捜査員のダグ・カーリンです。宜しく!」と言ってきた。クレアはダグを見ると、信じられないほどの驚きと喜びを与えられたのだった。

どこかで会ったことありました?・・

― 完 —

いやぁ~  何とも不思議なタイムスリップ物語でしたね~!

見終わってから物語を思い起こしてみると、「結局あの様子って、こうなると初めから決まっていたってこと?」などと、深く考えると余計こんがらがってしまうのでした。

そういえば、ああなっていたよね~!と物語の終盤にタイムパラドクスを調整していることを知るのですが、やはり一回目では分かりずらいかもしれません。

どこかでこの光景を見たことあるという現象を「デジャブ(ヴ)」と言われていますが、実は私もその経験が本当にあったので、もしかしたら意識だけ未来へ行ってきたのでしょうかね?

最初に彼女の家へ捜査に入った時に見た血の付いた傷の手当跡や留守録は、実は後に起こす出来事なのに、過去となる日に見ているという複雑な関係など正にタイムパラドクスです!でもこの点は後から考えても、上手く作られていたと思います。

まぁSF物語ですから、理屈が合わなくても面白く作ってあればそれで良いのですね~


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*今回も一部スクショを取入れています。