少年が初めて核の恐ろしさを知った映画「ザ・デイ・アフター」




『 ザ・デイ・アフター 』
THE DAY AFTER

昭和58年  1983年 ロードショー作品

まだ少年だった私は、学校の教科書で習った歴史で「原爆の恐怖」というのが
ありましたが、実際にどのようなものかは分からなかったのは事実でした。

漫画の「蛍の墓」や「はだしのゲン」がありましたが、見る気もなく
日本国に使われたことも歴史上の出来事、他人事の感じでした。

しかし少し成長してくると、こうした映画の映像技術による描写によって
どうなるのかという事に興味を抱き、そして知ることができたのですね~。

もちろんこの映画も、世界で唯一使用された日本での惨状を元に
製作されたのでしょうけど、冷戦時代の不安をしたたかに表わしたもの
だったと思われます。

にらみ合いの続いていたお互いが、同士討ちしてバカを見るという訴えを
作者は言いたかったのだとも思います。

最終武器を持っている国が、防衛のためだという言い訳と
戦争をお互い起こさないためのものでもあるという意味もあると・・。
だから、核爆弾保有国は今でも残っているのでしょう。

テリトリーを守ることは、どんな小さな動物でもありますから
仕方が無いことなのかもしれませんが・・

とにかく、人間が作ったものは凄い良い物と、凄い悪い物があるのですね~!

キャスト

ラッセル・オークス役    ジェーソン・ロバーズ

ジョン・ハクスレー     ジョン・リスゴー

ナンシー・ハウアー     ジョベス・ウィリアムズ

スティーブン        スティーブン・グッテンバーグ

ジム・ダールバーグ     ジョン・カラム

イブ・ダールバーグ     ビビ・ベスク

スタッフ

製作        ロバート・パパジアン

監督        ニコラス・メイヤー

脚本        エドワード・ヒューム

撮影        ゲイン・レッシャー

音楽        デビッド・ラクシン

 

少年が初めて核の恐ろしさを知った映画

それではここで、あらすじを簡単にパンフレットから見てみますね。

【あらすじ】簡単に追想

アメリカ、カンザスシティ 静かな中部の都市

ここの大きな病院、カンザスメモリアル総合病院で
ベテラン医師オークスと日系人医師ハチヤが今日も手術に
取り組んでいる。オークスは一人娘マリリンからボストンへ
行くと聞かされ、ビックリしていた。
息子は大学でフットボールを夢中にしている。

カンザスシティから南へいったところにICBM(大陸間ミサイル)
発射基地があった。しかし、市民の生活からは遠い存在だった。

変凡な毎日の生活だったオークスは、TVで米ソ間の緊張を伝えている
ニュースを見る。東ドイツの陸軍内部の反乱や非常警戒態勢に入るNATO
アメリカ軍にも緊張した様子がうかがえるニュースだった。

キューバ危機と同じような雰囲気が漂うが、市民は皆そうは思っていなかった。

もうすぐ、任期全うを迎えていた空軍一等兵のウィリアム・マッコイ
家族の約束していた大切な旅行を延期して、緊急の出動へ向かう。

ある日オークスは、カンザスにミサイル基地があるので、住民が引越し
しているということを聞く。

その間にも、TVでは緊張のニュースが増えていた。

カンザス大学でも学生達が、TVニュースに集まっていた。
オークスは大学のある町へ向かう途中に、緊急ニュースが発せられる。

住民らに「核シェルターへ非難せよ」というニュースに、住民はパニック
スーパーマーケットには大勢の買いこみ客が殺到、町を離れる車も多く
大変な事が起こる前兆となっていた。

そして、ミサイル発射の放送がある。

ソ連軍の侵攻に対して、アメリカが行った発射だと知らされたのだ。

一刻も早い解決に急いでいる対ソ連勧告

時は遅く、カンザスからICBMが発射され、人々は空を見上げていた。

やがて、カンザスの人々に不気味な警報が鳴り響く。
人々はパニックになり、あちらこちらで事故が発生。交通渋滞。

午後3時38分  カンザスシティの街の上に目も眩む閃光が!

全ての電源が停止。  そして 2発目の閃光 !

数千度の熱によって、辺り一面が粉々に変わっていくのだった。
全ての生き物は、跡形も無く蒸発してしまうのである。

一大都市カンザスシティは、終わった。

オークスはハイウェイでカンザスシティの街の方向に、このキノコ雲を見た。
街へ急ぎ戻ると、オークスの家族はもう存在していなかった。

その後、死の灰が上空から降り注ぐカンザスの大地。

ザ・デイ・アフター

この後から、生き残った者達の、その始まりがやってくるのだった。

放射能汚染によって、生き残った人々もほとんどが被爆者となり
病院も溢れ、医師のオークスも例外ではなかった。

両国は互いに核爆弾の無残さと無意味さを思い知ったのである・・・

・・・・・・・

東北の大震災が起こる3年ぐらい前、広島平和記念館へ訪問したことがありました。
人間は頭脳が良すぎて、変なものを作ってしまいましたね~。
どんなに頭がいい他の動物でも、人間ほどバカなことを考えません。
今生きる事以外に無駄なことをしませんよね~

本当は良いものを作ろうとしたのかも知れませんが、変なものに使われて
結局は兵器になって使われてしまったのですよ!

そして、こういう映画も製作されたのでした。

良い考えの人もいれば、悪い考えの人もいる。
人間が存在する限り、永遠に善と悪はなくならないのかもしれませんねぇ~

*   *   *

今回もご一緒に追想いただき、誠にありがとう御座いました。