「アデライン・100年目の恋」
THE AGE OF ADALINE
2014年 アメリカ製作
ある出来事によって、若い美しい様相のまま100年以上も過ごした女性の物語。主人公の女性役は本当に美しい女優で、このストーリーにぴったりだったと思います。
前にも記していますが、歳を取らずに何百年も生き続けているという物語は、「ハイランダー・悪魔の戦士」を想い出します。
どんな綺麗な女性でも、中年齢ごろから肌の張りや潤いを失っていることに気づき、自らの老いを感じることになります。しかし、女性は誰でも「いつまでも綺麗でいたい」と思っているはずです。
そう考えると、この物語の主人公アデラインの様に「いつまでも老いない肌」は、女性にとって羨ましいことでしょう。
健康な体でいつまでも老いないことは「究極の欲望」であり夢の様な話ですが、何百年も生きていたいと思いますか・・
この物語の結末は、そんなことを教えてくれるような気がするのです。
キャスト
アデライン・ボウマン ブレイク・ライヴリー
エリス・ジョーンズ ミキール・ハウスマン
ウィリアム・ジョーンズ ハリソン・フォード
フレミング・プレスコット エレン・バースティン
キャシー・ジョーンズ キャシー・ベイカー
リーガン リンダ・ボイド
スタッフ
監督 リー・トランド・クリーガー
製作 シドニー・キンメル、トム・ローゼンバーグ
製作総指揮 エリック・リード、アンドレ・ラマル、
脚本 サルバドール・パスコヴィッツ
音楽 ロブ・シモンセン
それでは、この映画パンフレットを観ながらストーリーを想い出してみましょう。
【 あらすじ 】
29歳の美しい女性(主人公アデライン・ボウマン)は、サンフランシスコの私立資料館で係員として働いています。そんな彼女は偽造パスポートを作って身分を隠しながら生活しており、今はジェニー・ラーソンという名前を使っていました。
彼女は時々資料館にある昔のフィルムなどで、その過去を想い出していました。
1908年に誕生した彼女は、本来ならば既に100歳を超えているはずでした。
21歳の時に結婚し、3年後には娘(フレミング)も生みました。
しかし、当時建設をしていたゴールデンブリッジの工事現場で1936年、彼女の夫は事故により亡くなってしまいます。
そのおよそ10ヵ月ほど後のある日、温暖で雪など降らないカルフォルニアの地域に、珍しく雪が降ったのです。
その夜、車で両親の家に向かっていたアデラインは、運転を誤って川へ落ちてしまうのでした。
川の中へ車ごと沈んでしまったアデラインは、その命を閉じようとしていました。
その時です。突如、一筋の稲妻が車に落ちます。
高圧電流を浴びたアデラインの身体は息を吹き返しました。
こうして蘇ることができたアデラインでしたが、その後の人生が一変したのです。
次第に彼女はそれを知ることになります。
「なぜか歳を取らない自分の異常さを」
それはいくら調べてみても科学ではどうにも説明が付かないものでしたが、考えられることはただ一つ
アデラインに落ちた一筋の稲妻は、人の染色体末端のテロメア配列に異常を与え、細胞の老化現象を止めてしまったのではないかという説。
歳を取らないまま生き続けることになったアデラインは、いつ日か自分の娘フレミングよりも若く見えるほどでした。
その反面、FBIなどから追われた老化しない特殊な身を隠すためには、一定期間ごとにその名前も住所も変えていかねばならなかったのです。
そうして娘のフレミングとも会えずの生活で、何十年もの年月は過ぎていきました。
そして60年の歳月が経ったある時
友人のピアノコンサートでエリス・ジョーンズという青年に出会います。
彼はアデラインに一目で惹かれてしまったが、彼女にとって恋することはタブーなことです。
お互いの引っ越し前に久しぶりにアデラインは娘のフレミングと食事をしますが、娘はすっかり年老いており、まるで娘が母親に見えるのでした。
ある日、資料館に希少な資料を提供するという青年が来ましたが、それは偶然にもコンサートで会ったエリスでした。
一生懸命にアデラインの事を楽しませようとするエリスに、心を再び開きそうになる彼女。
エリスは食事に誘い、自分の父が彗星研究者であることも話します。エリスの誠実さに心を許したアデラインでしたが、愛犬の老死にエリスとのことも考え直します。
エリスに心を許した悩みを老いた娘のフレミングに話すと、「ママには幸せになってもらいたいのよ」と言われました。それを聞いたアデラインは、エリスの所へ再び会いに行く決心をしたのです。
エリスはアデラインを父の記念日に誘い、アデラインを両親に会わせることに。
しかし、ここでも運命の悪戯が起こるのです。
紹介されて顔を合わせたエリスの父ウイリアムは、アデラインを見ると
ビックリしたように彼女を見つめ、「アデライン・・?」と思い出したかのように呟きます。
エリスの父親は、かつてアデラインと恋に落ちたことがある人物だったのです。
彼の言葉に想い出したアデラインは、「それは私の母の名前です」と答えた。
「アデラインは今どうしている?」とウイリアムに尋ねられると
「母は6年前に亡くなりました・・」と答えるのだった。
その夜、ウイリアムは遠い昔のアデラインとのことを想い出します。
まだ若き日の頃、イギリスに旅行中だったアデラインと出会いました。
そして若きウイリアムとアデラインは、恋に落ちたのです。
正体を隠しながら生きていたアデラインは、ウイリアムだけには本当の名前を教えるほど心を開いていましたが、特殊な身体を持つ彼女にはウイリアムとの将来が辛く思え、彼から離れざる負えませんでした。
翌日、家族で集まった時にウイリアムは「天文学に走ったきっかけは、アデラインとのことが大きかったんだよ」と話します。
「発見した彗星にデラという名前をつけたんだよ」とも語った。
翌朝のこと、ウイリアムは彼女の手に傷が残っていることに気が付くのです。
年月から考えても彼女がアデライン本人であるはずがないと思いながらも、問いただすのであった。
その昔、二人で釣りに出かけた時にアデラインが手に傷を負い、ウイリアムが縫ってあげたものでした。
「アデラインなんだろ? 本当のことを言ってくれ!」
真剣に問いただすウイリアムに、アデラインは白状するしかありませんでした。
自分が歳を取らない特殊な人間であることを・・
そして再びアデラインは、ウイリアムとエリスから逃げるように去っていきます。
手紙で事情を知ったエリスは、ウイリアムに「彼女無しの人生はかんがえられないよ」と急いで探しに出ました。
逃げるように車を走らせていたアデラインは、愛からも逃げながら生き続けてきた今までの人生を反省するのだった。
その時、突然1台の車が横から衝突してきて、彼女の車は道路わきの下へ横転してしまったのです。
アデラインは車から放り出されてしまい、今にも息を引き取りそうでした。
しかし、またその時に天候に異常が起きました。
78年前の様に、この温暖な地域に珍しくも雪が降ってきたのです。
彼女の体は低体温へ向かい、あの時の様に再び鼓動を止めるのでした。
追ってきたエリスが彼女を見つけると、必死で心肺蘇生を試みますが動きません。
アデラインは107歳という人生を、若い体のままで終えていくのです。
その後、駆け付けた救急隊が到着し彼女に電流パッド750Vで流しました。
その瞬間、奇跡が起きました。
彼女はその電流によって、鼓動を蘇えさせられたのです。あの時と同じ様に・・
病院に駆け付けたアデラインの娘フレミングは、エリスに「この子の祖母なんです」と言いますが
「もういいの、彼にはすべて話したのよ!」とアデラインは告げました。
それから1年後—
エリスと一緒にパーティーに出かけようと鏡に向かったアデラインは、自分の髪の毛に1本の白髪が生えていることに気が付きました。
アデラインの唖然とした顔を見たエリスは、心配そうに「大丈夫?」と尋ねました。
するとアデラインは、「これで完璧よ!」と答えるのでした。
– 完 –
いや~!本当に主人公のアデラインは綺麗な女性でしたね~!
この美貌が永遠に保てるならば、身分を偽って生きていくことも覚悟できるわ!なんていう人がいるかもしれませんが、周りが次々と変わってゆき親しい人も居なくなるのを目にする等の、辛いこと噛み締めながら、何百年も生きていられるでしょうか?
人生は早かれ遅かれ、必ずや限りがあります。懸命に生き続けることは大切な事ですが、永遠に生き続けることも大変なことなのでしょう。
歳を取らずにずっと若いままの姿で生きていくことは、みんなが望んでいることでしょうけれども、本当にそうなったら人はどうするでしょうかね・・
*今回も部分的にスクショを使用しています。