【 ベンジャミン・バトン 数奇な人生 】
The Curious Case of Benjamin Button
2008年 アメリカ ワーナー・ブラザース
押し入れの奥から出てきた1冊のパンフレットの表紙を見て、まだ綴らなければならない心に残る映画があったことに気がつきました。
表紙からでは解らない奥の深い、また感銘深い物語だったことを今あらためて想い出します。
老人の顔と青年の顔をCGを使って違和感なく映像化しており、見事な出来栄えだったと思います。
CG技術を使って主人公ベンジャミンの顔を相応に見せていたことはプロダクションノートから知ったのですが、初めは解りませんでした。
老人の体から人生が始まり、赤ん坊で人生を終えるという、普通では考えもできない原作シナリオにも感銘するばかりでした。
主人公ベンジャミンを演じた、主演のブラッド・ピットもぴったりだったと思います。
様々な人生の言葉もセリフに出てきますので、是非この記もここに残しておきたい作品なのです。
キャスト
ベンジャミン・バトン : ブラッド・ピット
デイジー : ケイト・ブランシェット
クイニー : タラジ・P・ヘンソン
キャロライン :ジュリア・オーモンド
トーマス・バトン : ジェイソン・フレミング
エリザベス・アボット : ティルダ・スウィントン
スタッフ
監督 :デビッド・フィンチャー
脚本 :エリック・ロス
原案 :エリック・ロス :ロビン・スウィコード
原作 :F・スコット・フィッツジェラルド
製作 :キャスリーン・ケネディ :フランク・マーシャル :シ-アン・チャフィン
美術 :ドナルド・グレイアム・バート
特殊メイク :グレッグ・キャノム
視覚効果 :エリック・バーバ
それではここで、あらすじを簡単に。
【あらすじ】簡単に追想
ハリケーンの通り道になるニューオーリンズのある病院で
今にも逝きそうにベッドに寝ている老婆が、娘と話をしている。
1918年、駅に取り付けられた時計は「逆回り時計」だった。
時計職人ガトーが戦死した息子へ送るために作った「時を戻す時計」の意味だった。
その後、老婆は娘にバッグの中に入っている一冊の日記を読んでくれと頼む。
1985年 ニューオーリンズ にて
私はベンジャミン・バトン
忘れていかないうちに、これを残しておく・・
第一次世界大戦が終わったその年の日、私は生まれた。
私を産んで間もなく母は亡くなり、老人の様なあまりにも醜い姿で生まれた私を見た父は
ある介護施設の前に置き去りにしていった。
介護施設のクイニーは、醜い老人のようなその赤ん坊を見つけて育てることにした。
「神様が私に授けた赤ん坊・・」「この子は何か意味のある子に違いないわ!」
周りは反対したが、クイニーは赤ん坊を手放すことはできなかった。
「人生は、どうなるか分からない・・」
時が経って、ベンジャミンは老人施設の仲間入りの様に誰から見ても老人に育っていった。
体は老人だが、気持は幼児だった。
クイニーは良いママだった。ベンジャミンはクイニーが大好きだった。
「ママ、僕はいつまで生きられるの?」
老人の体からベンジャミンは次第に若く戻っていくが、施設の仲間たちは逝ってしまう。
1930年の感謝祭の日 ベンジャミンは運命の人と出会う。
施設に入った老婆の孫娘デイジーだった。同じ日、クイニーが妊娠したとお祝いもあった。
ベンジャミンは週末にデイジーが来るのが楽しみだった。
「僕は老人だけど、本当は子供なんだよ」とデイジーに打ち明けた。
「ママ、どうして僕だけそうなの・・・」ベンジャミンは泣いた・・
「ベンジャミン、あなたは特別な神様の考えで生まれたのよ だから嘆くことないわ・・」
クイニーに新しい子供が生まれ、いろいろと変わった。
新しい命が生まれ、古い命が終わっていった。様々な人生があった。
また新しいご老婦人が入居してきて、その人にピアノを教わった。
ある日、港へ散歩に出かけるとタグボートを手伝うことになった。
老人のベンジャミンは、マイククラーク船長に気に入られた。
その夜、ある紳士から酒場へ誘われるが、ベンジャミンは彼が父だとは気がつかなかった。
1936年 17歳になった年、ベンジャミンは施設の皆から見送られて旅立った。
見送ってくれた老人たちとは、もう会えることはないだろうと思った。
少女のデイジーが駆け寄ってきて、必ず手紙を書いてくれと約束させた。
ベンジャミンはマイク船長と世界を旅したことを、必ず手紙にしてデイジーへ送った。
マイク船長はベンジャミンに聞いた。
「おまえは出会った時よりも背が高くなり、若くなってるのは気のせいか?」
あるホテルで貿易施設員のご婦人に出会う。
深夜にご婦人エリザベスと話をするようになった。
やがて2人は密会をする仲になっていった。
突然の別れがくるその日までは。
その頃、成長してバレリーナを目指すデイジーは、ニューヨークへ行っていた。
真珠湾攻撃がされ、第二次世界大戦が始まった。
マイク船長の船は海軍の支援として、戦争に加わることになった。
ある夜、潜水艦の魚雷攻撃を受けた輸送船を発見したが、戦闘によりマイク船長は戦死してしまった。
1945年 26歳のベンジャミンは10年ぶりに施設に戻った。
「ベンジャミン、こんなに若くなって~!」
ママのクイニーは喜んでくれた。
そしてある日のこと デイジーが戻ってきた。
「信じられない ベンジャミンなの?」
デイジーが少女から美人女性になっていた。
彼女もベンジャミンの姿にビックリしていた。
そして彼女が言う。
「こんなところで会うなんて、運命なのかしら・・」
「エドガーケイシーの言葉知ってる? 全ての出来事はあらかじめ定められている!って」
デイジーはニューヨークのダンサーになっていた。
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