CG技術で実現できたSF「ジョン・カーター」は男の夢物語である!




ジョン・カーター

2012年 ディズニー110周年記念作品

不朽のSF傑作『火星のプリンセス』をもとに作られたSF超大作ということですが、2000年代のCG技術が進歩してなければ実写化ができなかったほどの壮大な物語なのです。

「ジョン・カーター」という人名の映画名なので(SF物語の題名ではありませんから)こんなに「壮大なSFシナリオ」だとは初めは思ってもいませんでした。

私がこの作品を好んだのは、SF映画「フラッシュ・ゴードン」や「スター・ファイター」のシナリオと同じく、私たちの住む地球での現実社会と宇宙の何処かの空想世界を合体させた物語という点でした。

男子にとって、昔からSFヒーローものは夢の物語です。男は皆ほとんどが、子供の頃からヒーローになりたいという夢・願望が胸の中にあるものです。いくつになっても・・

スタッフ

監督
アンドリュー・スタントン

製作
ジム・モリス

コリン・ウィルソン

リンジー・コリンズ

脚本
アンドリュー・スタントン

マーク・アンドリュース

マイケル・シェイボン

撮影
ダン・ミンデル

音楽
マイケル・ジアッキノ

キャスト

ジョン・カーター
テイラー・キッチュ

デジャー
リン・コリンズ

ソラ
サマンサ・モートン

マタイ
マーク・ストロング

タルドス
キーラン・ハインズ

サブ
ドミニク・ウェスト

カントス
ジェームズ・ピュアフォイ

タルス
ウィレム・デフォー

エドガー
ダリル・サバラ

それでは、さっそく映画パンフレットを観ながら物語の中へ入っていきましょう。

【 あらすじ 】かんたんに

我々が本当の事を知らない太陽系の惑星「バルスーム」(地球人は火星と呼ぶ)

地球と同じくここでも領土争いは起こっていた。赤い皮膚の色をした(人間と似た)高度な知識生物のが、2つの国で主権をめぐり争っていた・・。

物語は地球に戻り、ニューヨーク 1881年

エドガーという青年が、疎遠だった叔父のジョン・カーターから電報が届き早急に呼ばれた。急いで出向いたそこは大豪邸だったが、すでに叔父は亡くなっていたのだ。

そしてエドガーは豪邸に務めていた執事に、叔父ジョンの遺言を聞かされる。

「エドガーに全てを遺す」ということと、エドガーだけに読ませる1冊の日記。

エドガーは(自分宛ての)その叔父の書いた記を読み始める・・

「エドガー、君ならきっと私の言うことを信じてくれるだろう」

13年前の1868年、俺は騎兵隊から逃げている時に不思議な洞窟を見つけたのだ!」

南北戦争で優秀な騎兵隊員だったジョン・カーター。しかし彼は戦いの虚しさから騎兵隊を脱し、アリゾナを彷徨っていた。

ある時、騎兵隊のパウエル大佐から探し出されて軍へ戻るように強要されるが、ジョンは拒否して逃げ出した。その途中に不思議な洞窟を見つけたのだ。そこには蜘蛛の巣を描いたような彫り模様と、大量の金が埋まっている壁があった。

そこへ突然現れた何者かに襲われるジョン。しかし間一髪攻撃をかわし銃で倒した時、その何者かが手にしていた変なペンダントメダルを握ると、突然ジョンは意識を失ってしまった。

気が付くと、ジョンは広大な砂漠の真ん中に寝ていた。

ここは?

ジョンは辺りを見回しながら起き上がり、歩こうとしたが何か変だった。

歩くとなぜか体が浮き上がってしまうのだ!

なんだこれは?!

最初はぎこちない感じだったが、しだいにジャンプに慣れて進んでいった。

丘へたどり着くと、何か作られたガラス張りの下に卵がたくさん見えた。

すると何かが砂漠をこちらへ向かってきた。

ジョンは見たこともない、その4本の腕がある緑色の生物に驚く。

高くジャンプして逃げようとしたジョンに彼らは驚き、捕えようと話しかけてきたが何を言っているのかお互い通じない。やがて足を撃たれたジョンは、彼らに捕まって連れていかれた。

彼らは砂漠の「サーク族」といわれる種族だった。たくさんのサーク族が住む村に連れていかれたジョンは投獄されてしまうが、そこで考えられない速さで走れる(大きいカエルの様な犬の様な生物)「ウーラ」に気に入られた。

ジョンはジャンプして牢獄を抜け出し、あのペンダントを取り返そうと宴会へ乗り込むが再び捕まってしまう。

しかし、なぜか彼らとの言葉が通じ合えてることに気が付く。

翌日、空で戦いながら逃げていく、大きな宇宙船のような物体を見る。それは「ゾダンガ王国」と「へリウム王国」が戦っている巨大な空飛ぶ船だった。

その戦い中、ジョンは船から落ちそうになっている女性戦士を双眼鏡で見つけた。

あれは人間じゃないか!

とっさに助けようと高くジャンプするジョンだった。

女戦士をジャンプして助けたジョンは、戦闘に加わり「ゾダンガ軍」と闘うことに。

さらに「サーク族」もジョンを応援してきたため、「ゾダンガ軍」は撤退していった。

サーク族はジョンの戦いに興奮し、彼を称えたのだった。「貴方は?」お互いに不思議に思うジョンと女戦士。彼女はヘリウム人でデジャー・ソリスと言った。

そして彼女はジョンに聞く。

あなたは何故あんなに高く飛べるの?」「どこから来たの?

俺の名はバージニアでなく、ジョン・カーターだ」「バージニアから来たんだよ!

彼女と話したジョンは、初めて自分が違う惑星にいることを知ったのだった。

ジョンと彼女(デジャー)は夜に侵入を禁じられた「サーク族の神殿」へ入っていった。

そこで見た秘密の暗号で2人は助け合う約束をするが、サーク族の掟を破ったことで咎められる。

サーク族の長タルスの計らいで処刑を逃され、ジョンはタルスの娘ソラとデジャーと共に村を出られた。(ウーラも一緒に付いてきた)

聖なる門へ行ったジョンとデジャーは、その中でペンダントメダルの秘密を知る。

その時、突然ソラから叫び声が聞こえた。外に出ると、そこには凶暴な生き物・大群が待っていた。慌てて川を戻り逃げるが間に合わないと分かったジョンは、独りで立ち向かう決意をした。

今度こそ、必ず助けるんだ!」と、戦争から救えなかった妻子を埋める自分を思い出す。

デジャーたちを助けるために、ジョンは独りで大群と闘うのだった。しかし、多勢に無勢でジョンは敵に埋もれていった。

しかしその時、ヘリウム国の飛行艇が現れて空から大群に攻撃をしかけてきた。大群は逃げまどい撤退していった。危機一髪ジョンは助け出されたのである。

ゾダンガ国の皇帝「サブ・サン」は心を入れ替えた様なので、ヘリウム国の皇帝「タルドス」は平和のため娘デジャーを結婚させるという決断をした。

デジャーはこの星の平和のため仕方なくサブ・サンとの結婚を決意し、ジャスーム(地球)へ帰るために必要なペンダントメダルの秘密をカーターに伝えた。

デジャーと別れを告げたつもりだったジョンは、間もなく黒幕である支配者サーン族の教皇マタイに捕まってしまった。驚くことに彼は誰にでも変身できる能力を持っていた。そしてマタイの支配計画を聞かされるのである。

地球にも度々現れていたサーン族は、地球人のことを良く知っていたが「重力」については見逃していたと呟いた。

マタイがジョンを連れ去ろうとしたその時、ソラの命令によって現れたウーラが助けに来た!

逃げ出せたジョンは一旦サーク族の村へ向かったが、ジョンらを逃がした罪で長タルスが牢獄に入れられているのだった。

ジョンとタルスの処刑の儀が行われ、巨大で凶暴な魔物(大白猿)2匹に襲われる。

しかし、ジョンの優れた戦闘能力によって魔物は倒され、部族長との決闘でも勝利したのだった。

新たにサーク族の長となったジョンはデジャーを救うためにゾダンガへ向かったが、結婚式はヘリウム国で行われるのであった。

慌てて小型艇に乗って飛ぶジョンだが、サーク族らは飛ぶのを拒んだ。仕方なく単独で向かうジョン。

結婚の儀に飛び込んできたジョンの出現によって、ゾダンガ兵とヘリウム兵の戦闘が始まった。ジョンはデジャーを助け出すと、本性を現したサブ・サンと闘うのだった。

サーンから強力な力を得ていたサブ・サンは強く、ジョンは危うかった。しかし、そこへ飛ぶのを拒んでたサーク族が飛んで来て加勢したのだ。

サーク族の援軍によってヘリウム国とジョンは闘いに勝ったが、サーン族のマタイには逃げられてしまった。

ジョンはデジャーと婚姻しヘリウム国を治めることを決めた夜、マタイによって地球へ戻されてしまった。

あの最初の洞窟で意識を取り戻したジョンは、失望に落とされた。

愛するデジャーのいるバルスームに戻りたい!

ジョンは洞窟の金を使って10年もの間、サーク族の跡を掴むため世界中を探し回った。

誰にでも化けられるサーン族にずっと見張られている事を知っていたジョンは、誰も信じられずに極秘で計画を進めた。

エドガー、これで私が亡くなった理由が解かるだろう

ジョンの遺体は内側からしか開かない祠に入れられた。エドガーは急いでその祠へ向かう。

そして、エドガーに託されたその扉を開ける役目が果たされる時。

その時こそ、ジョンがバルスームに戻れる時だったのである!

扉の外側からの開け方が解かったエドガーをサーン族の一人が狙ったその瞬間、ジョン・カーターは現れサーン族を仕留めたのだ。

ジョンおじさん? 何で・・

ほら、フグ毒だよ!これで一時仮死状態になったのさ

ジョンはサーン族からペンダントメダルを奪って言った。

これで、やっと帰れるよ!

ジョンは瞬間移動の言葉を唱え、バルスームへと帰っていった。

愛する妻デジャーの居るヘリウム国へ

– 完 –

いや~!ロマンティックですね~ 帰りたい場所が地球だったはずなのに・・

この物語では、我々が火星と呼んでいる惑星は「バルスーム」と呼ばれていて、我々の住む地球は「ジャスーム」と呼ばれていたなんてところは面白かったと思います。(科学的には火星に生物が住んでいるなんて考えられないことでしょうけど・・)

それと、よく考えると分からない点は「アバター」の様に、結局 体は移動せず意識だけが移動していたということだったのか?という不明点が残りました。高くジャンプできたのは「まるで夢の中の自分」みたいな感じなのか?(私の理解が足りないのかもしれませんが・・)

まぁ細かいことは別として「現実社会と夢の国物語の合体」映画にはロマンを感じさせられるものであります!

 

*今回の記も映画パンフ以外に一部スクショを取り入れてあります。