これもまた物語に疑問が湧くタイムパラドクス映画「LOOPER」




LOOPER ルーパー

2012年 アメリカ

これもまた前記に引き続き「ブルース・ウィルス」主演の作品ですが、今回のタイムパラドクス物語を見終わった後も、ふと考えると疑問が浮かんでしまうシナリオだったのを想い出します・・

未来からタイムスリップされてきた者を処分するという仕事とは意外な面白い発想だと思いましたが、過去と未来の自分が同じ次元に話すことができる場面は微妙な感じでしたね・・!

もう一つの大きな点は、結果的に「サイコキネシス」が原因元だったとしても、なぜ超能力者が発生したのかも説明場面がもう少しあればという感じでした・・。

しかしラストの終わり方は「なるほどね~」と感銘する締め内容だったと思います。この幼い子役も見事な演出だったことも肝心な点でした。

*監督・脚本
ライアン・ジョンソン
*プロデューサー
ジュリー・ゴールドスタイン
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ダグラス・ハンセン
ダン・ミンツ
ピーター・シュレッセル

*製作
ラム・バーグマン
ジェームズ・D・スターン

*音楽
ネイサン・ジョンソン

*キャスト

ジョー
ジョセフ・ゴードン=レヴィット

オールド・ジョー
ブルース・ウィリス

サラ
エミリー・ブラント

セス
ポール・ダノ

キッド・ブルー
ノア・セガン

スージー
パイパー・ペラーボ

エイブ
ジェフ・ダニエルズ

シド
ピアース・ガニォン

それでは、さっそく映画パンフレットを見ながら簡単にお話を想い出してみましょう!

【 物語をかんたんに 】

時は2044年、アメリカのカンザス

この時代には遺伝子の変化の影響なのか不明にも、およそ10%の人間に若干の超能力(サイコキネシス)があることが分かっていた。

また、まだその時代には開発されてはいなかったタイムスリップ技術だが、30年後の2074年頃には可能になっていたらしい。

しかし、その使用は禁止されることになったにもかかわらず、闇組織では密かに使われ続けていた。未来では人を完全に管理できるシステムが発達しており、居場所さえ隠くすことができないため、密かに処刑するには過去に処刑人を転送するしかなかった。

そこで、闇組織は30年前の時代に使者を送り処分用組織を作っていた。そして処分人(ルーパー)という仕事を高額な報酬(銀塊)で雇っていた。

ジョーも処刑人ルーパーの一員で、30年後の未来から転送されてくる者を処分するという日々を送っていたのだった。

そんな処刑人ルーパーには厳しい定めもあった。いつか自分が転送されてくる可能性が高く、それは処分した者の背中に背負ったゴールドバー(金塊)で分かり、その者は30年後の自分なのである。

そのループを閉ざすという仕組みに当たった者は、金塊を与えられて処刑される30年後まで暮らすのである。喜ぶ者もあれば、恐怖を感じる者もいるだろう。

ある夜、友人のセスがループを閉ざすルールを破ったと助けを求めて来た。ジョーは彼をかくまったが、この組織のボスであるエイブに呼び出される。孤児の時からエイブに世話になったジョーは、その説得に友人のことを白状してしまった。

友人のセスは捕らえられ、転送されて逃がれた未来のセスも処分されてしまうのだった。友人を裏切ってしまったジョーは心を痛めていた中、今度は自分の番となる時が訪れる。

ある日、いつもの様に転送されてくる者をラッパ銃を構えて待っていた。しかし時間が若干遅くなっている。そして少し遅れて転送されてきた者は袋を被されてはいなく、引き金を引くのが遅れてしまう。そしてその一瞬のタイミングのズレに、転送されてきた未来の自分に殴られて気を失ってしまった。

気が付くと「遠くへ逃げろ!」というメモが残っていた。ジョーは貯金を取りに部屋へ向かうが、すでに組織に終われる身となっており、逃げる時にビルから下の車のルーフへ落ちてしまう。

ーーここで場面は転送されてきた30年後のジョーの過去へ・・

30年前、ジョーはいつも通りに袋を被されて転送されてきた者を撃った。しかし、その背中には金塊が付けられていた。ループを閉ざしたジョーは仕事から放され、旅へ出る。

1年後、ジョーは思っていたフランスではなく、エイブに進められた中国へ行っていた・・。

上海で暮らして3年後、5年後と時は経過していくごとに資金は減っていった。そして10年後には、強盗団などに身を染めていく。

23年後、薬と強盗で生きてきたジョーに転機が訪れる。それは、運命の女性との出会いだった。

25年後、彼女との結婚もでき幸せな日々は過ぎていった。しかし、時は30年経過となる・・

ある朝、組織の連中が現れ最愛の妻は撃たれ、ジョーは捕らえられていくのである。背中に金塊を付けられて転送される日が来たのだ。

しかし、ジョーは何日か前に電話で受けた友人セスの重要な密告を忘れていなかった。転送される前に係員を撃退し、30年前に行く目的を持ったのである。「最愛の妻を救うのはこれしかない!」と。

ここで、30年前の場面へ戻りーーー

車のルーフへ落ちたジョーは、未来から転送されてきた自分に助けられて空き地に寝かされていた。その頃、未来から来たジョーは資料館で有力な情報を書いておいた手のメモから、該当する地域の地図を手に入れていた。

気が付いた現代のジョーは、未来から来た自分を探し出すために自らの腕に傷をつけて呼び出すことを思いつく。

それに示された未来のジョーは、いつもの田舎レストランで若き日の自分と話すことになった。今の自分と未来の自分の話し合いは実に奇妙な雰囲気だったが、この30年や最愛の妻のことなどを全て話すのだが若き日の自分は分かってくれるはずはなかった。

セスが情報を与えてくれた「突然現れた未来の支配者レインメーカー」について話す未来のジョー。裏組織の撲滅目的は「ルーパーに復讐するため」ではないかと推測し、過去のレインメーカーを抹殺すれば止められるはずだと語った。そして、そのヒントとなる数字を見せる。

そのあと間もなく、レストランに組織の追手が乗り込んできた。二人のジョーはそれぞれに逃げるのだった。

トウモロコシ畑の中にある一軒の家に、ある母子が住んでいた。若きジョーは地図にあった場所の一つがそこだと悟り、そこに住むサラと幼き息子シドのもとで未来のジョーが来るのを待つことにした。

サラはシドが興奮すると強いサイコキネシスの力が出てしまうことを分かっていたが、それは母親にとって秘密のものだったためにジョーの言う(シドに危険が迫っていること)言葉が信じられた。一方この時、未来のジョーは他にいる2人の居場所へ訪れ目的を進めていた。

サラの家に一人の男が訪ねて来たが、息子シドに隠れ通路を教えてもらい一時は見つからずに済んだものの、間もなく見つかることとなる。

サラとジョーが追手の一人に見つかった時、息子シドが階段から落ちてしまう。その時、ケガを負ったシドは興奮が高まり、家具やその者を天井へ持ち上げて爆発を起こしたのである!

間一髪どうにか外へ逃れたサラとジョーだったが、息子シドが大きな力(サイコキネシス)を持っているとジョーに分かってしまった。(未来の支配者レインメーカーがシドの30年後だと・・)

私がちゃんと育てることで、シドは良い人間に育っていくはずよ!」サラはジョーへ訴えた。

その頃、未来から来たジョーは2件目の標的に向かったが、潜んでいたメンバーの一人に捕まってしまう。しかし逆に、エイブのアジトへ連れ込まれた機会に、組織の全滅をさせる目的も達成するのであった。

そして、未来のジョーは最後の標的であるサラとシドを目指し、ジョーの前に来た。

今エイブ組織を全滅させてきたから、もう誰も追って来ないんだよ!」と、ジョーに叫び説得しようとするのだが、その時 生き残った一人のハンターがバイクで襲ってきた。

ジョーはどうにかラッパ銃で勝つことができたが、その間に未来の自分はシドの所へ向かってしまったのだ。

サラはシドとトラックに荷物を積んで逃げようと走り出すが、道の向こうに未来のジョーが待っていた。銃弾を窓ガラスに受けると、興奮したシドによって車は反転してしまう。そして車から這い出した二人は、畑へ向かって走って逃げだした。

ようやく若きジョーがその場にたどり着くと、シドの興奮によってサラも未来のジョーも浮き上がっている状態だった。

大丈夫よ、ママがいるからね・・」と、サラの心がシドへ感じると興奮は止まり地面に戻った。そしてそれを遠くから見ていたジョーは、その時に悟ったのである!

この時にサラが撃たれてしまう原因から、未来のシドは復讐の凶悪心が育ってしまったのだ。今ここでサラを撃たなければ、未来は変わるはずだ!と。未来のジョーに撃たせない方法は一つ、自分の未来をここで閉じれば良いのだと・・。

そして、ジョーはラッパ銃を自分に向け引き金を引いた。その瞬間、サラを撃とうとしていた未来のジョーもパッと消えるのだった。

サラは倒れていた若きジョーの姿を見つけ、そこに落ちていた時計を閉じた・・。

– 完 –

いや~! 最後は切ない終わり方で締められていましたが、ふと考えてみると疑問は残ってしまいましたね~

未来の自分と若き自分の対面や言い合いは、実に不可解な感じ(不可能では)に思えてしまうものでしたが、そこはSF映画なのであまり深くは考えないとします。

ジョーの存在なくなってルーパーに復讐するサイコキネシス・シドを防げたとしても、やっぱりタイムスリップを使った闇組織の活動は続くのでしょうね?(未来から来たジョーが存在しないので、2044年のエイブ組織は壊滅とならないわけで)

それと今回、途中で状況が大きく変わったのが少し解りずらかったと思いました。それは、未来から来た自分を処分した後、中国へ旅に出かけて30年が経過した人生があるジョーになる場面でした。

「その未来の人生も作られていたから転送されてきたジョーもあったわけで」と話が繋がっていきますが、正にここはタイムパラドクス(つじつまの合わない)によって、こんがらがってしまう点のため一回目は流して観た方が良い思いました。(2回目観ると深く考えてしまう場合が多い)

前回の記でもタイムパラドクスがありましたが、今回の方が深く考えると面白さが半減する作品かもしれませんね。タイムスリップ作品は大変夢があって好きなのですが、今でも「バックトゥザフューチャー」みたいな(つじつま合わせの努力が多いシナリオ)感激作品を探してしまうものです。


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*今回も一部スクショを取入れています。