『 竹取物語 』
KAGUYA
昭和62年 1987年 ロードショー 作品
[今も昔も、この世の中には様々な不思議なことがある。
人は常に、ありえないことを願い、望む
永遠の命を求めるも、そのひとつといえる
この奇異な美しい幻想的物語も、この世にありえること]
(パンフレットの冒頭文より)
当時、少年から青年へ移る年ごろ、私がファンだった沢口靖子
彼女が主演する映画ができたということで、さっそく期待し
見に行った作品だったのです。
日本の伝統的、おとぎ話である「かぐや姫」は昔から子供たちに
聞かされ続けていたものでしたよね~
コンピュータ時代の今の子供達は、知らないかもしれませんが
我々の時代の人たちは、当然にみんなが知っていた物語
その昔話も今回は、SFX技術を取り入れた日本の作品に仕上げ
アメリカ映画のSF作品が大きく影響していた時代だったこと
感じさせられるものです。
この映画パンフ中でも載っていましたが、制作費のうち
なんと2億5千万も費やした十二単の製作は、6ヶ月もの期間を
必要とし、苦労した点だったことが分かりました。
その衣装を身にまとう、かぐや姫役の沢口靖子も「お、重い!」と
連発していたそうで、なおかつ身にまといながらの演技は
さぞ大変だったとも書いていましたね~
日本で一番古いといわれるこの物語、平安時代ごろの撮影セットの考案も
かなり苦労しながらの製作になったのでしょう。
なにせ、古すぎる時代のことですからね・・
キャスト
かぐや姫
(加耶役) 沢口靖子
竹取の造 三船敏郎
竹取の妻 若尾文子
帝 石坂浩二
大納言 中井貴一
明野 小高恵美
道尊 伊藤四郎
皇子 春風亭小朝
スタッフ
製作 田中友幸、羽佐間重彰
監督 市川 崑
脚本 菊島隆三、石上三登志、日高真也、市川崑
撮影 小林節雄
音楽 谷川賢作
テーマソング ピーター・セテラ
[stay with me]
それではここで、あらすじを簡単にパンフレットから見てみますね。
【あらすじ】簡単に追想
時は八世紀の末ごろ、満月の夜のことである。
突然空気を裂くような音がし、都の程近い山里の空
鮮烈な閃光が走った。何かが夜空から裏山に落下してきたようだった。
その近くの竹林そばに、1軒の素朴な住まいがあった。
そこには竹細工品を作る職人、竹取の造という男とその妻が
2人で暮らしていた。
夫妻は先日、5歳の幼い子を亡くしたばかりで
悲しみに毎日を送っていた。
その朝、造は竹を取りに山へ向かう。そこには亡くなった娘の墓がある。
ふと気づくと、墓のそばに不思議な物体があるのだった。
よくみると、その中には小さな赤ん坊がいたのだった。
その赤子は小さな手に、水晶珠を握り締めていた。
その赤ん坊は、その時、みるみるうちに5歳ほどの娘になってしまう。
瞳が青いが、自分の亡くした娘(加耶)に瓜二つなのだ。
造は、思わず娘の名を呼んだ! 戻ってきてくれたとばかりに・・
さっそく家に連れて帰ると、妻は驚き喜び抱きしめた。
「この子は天が授けてくれたもの、加耶と呼びましょう」
遊びたい盛りの加耶は、目を離すとすぐに外へ出て
村の子供らと遊ぶのだが、人間離れした加耶の行動に
造は困惑してしまう。
そんな加耶ではあるが、しだいに本当の親子の愛情で結ばれていく。
また加耶の入っていた金属のような物体は、高い価値があり
造は、それを売って蓄えをしていた。
そんなある時、夫妻は帰宅すると伽耶が立派に成長した娘に
なっていたので、ビックリした。
村人から不思議に思われないように、一家は遠い場所へ引越し
蓄えのおかげで、立派な家を構えられた。
加耶の人ならぬ美しさに、噂は広まってしまい
やがて男たちが集まるようになった。
伽耶の本当の正体は、何であろうか心配の母は
持っていた水晶に何か意味があろうと思った。
加耶はある日、長者の子守に雇われている盲目の娘で明野に出会う。
同じ歳ころの2人は、やがて友達になっていった。
加耶の美しさは都中に広がり、車持の皇子や右大臣などが
訪ねてくるのだった。また
人間とは思えない美しさに、「かぐや姫」と人々がよんだ。
ある時、加耶は初めて人間の男に興味をひかれたのが
大納言だった。彼もまた加耶の美しさに胸を突かれた。
そんな中、加耶の水晶が時々に光出すようになった。
様々な男連中が、加耶へ申し込みにくるのだが
加耶は誰が本当にふさわしいのか分からず
友人の明野へ相談する。
盲目の明野は、加耶が人間とは違う生き物であると感じていた。
明野は男たちの心を試すのに、加耶へある策を提案した。
その策とは、この世にある「不老不死を叶える3つの宝」を
持ってきた者を受け入れようということだった。
その3つとは、どれも難題で今まで手に入れた者はいない。
そのため、明野は加耶の受け入れを断れるという考えだった。
「姫のためならば、何でも」と3人の男たちはそれぞれ
手に入れるものを探しに向かった。
加耶の水晶が、満月の夜に光る。
心配そうに入ってきた夫妻に、伽耶は満月を指差した。
大納言を除く、2人がそれぞれ手に入れた宝を持ってきた。
しかし、そのいずれも本物ではないことが解った。
そのころ大納言は、荒れる海で竜と戦っていた。
加耶の母にとって、娘を失うことは死ぬことと同じことだった。
水晶を捨ててしまえば、加耶は去らないだろうと考えた。
そして、水晶を湖に投げ入れてしまう。
水晶を失った加耶は、みるみるうちに体調が悪くなる。
大納言が荒海から戻ってきたが、加耶は寝たきりになっていた。
大納言は水晶の大切さを悟り、捨てられた水晶を探しにいった。
湖に沈んでいた水晶を、大納言はついに見つけて戻った。
加耶は大納言の想いを悟り、大納言を受け入れることを思うが
水晶の導く夜がやってくるのであった。
そして、ある夜が訪れた。
大きな光る物体が夜空に舞い降りて来るのだった。
阻止しようとしていた弓矢隊も空には及ばず、放った矢が
逆に戻って降って来るのだった。
大納言は、「攻撃は止めなさい、通じる相手ではない!」
大きな光り輝く物体は、かぐや姫を迎えにやってきたのだ。
加耶もそれを悟り、光の導きへ向かって上っていった。
「さようなら 父母 みなさん」
逆に一筋の光が降りてきたと思いきや、明野の目に月の形が
見えたのだった。
完
いや~! 懐かしい物語でした~ またこのテーマソング
ピーター・セテラが歌う「ステイ・ウィズ・ミー」が良かったのですよ!
当時を思い出させる歌声なんですよね~
竜が出てくる場面などは、日本製の懐かしのSFX映画を思い出させる
感じで、当時としては味があった特撮だったなぁと思いました。
そして、今は無き、何人もの名俳優らも出演していて
貴重なフィルムの価値もあるのだなぁとも思われますね~。
この物語は、古くから伝わっているものですが
もしかしたら、本当にこんな様な事件が遠い昔に実際あったのかも
しれませんしね~ 広大な宇宙のことですから・・
* * *
今回もご一緒に追想いただき、誠にありがとう御座いました。