その夜、家に帰ったジャックはリビングの本棚から昔の飛行機チケット控えを見つける。
それは、13年前ロンドンからNYへ戻った時のものだった。そしてそれはロンドンへ旅立った翌日に、再びNYへ戻ってきていた証だった。
それを見ていたケイトはジャックに言った。
「戻って来てくれたあなたのためなら、子供たちを連れてNYへ引っ越してもいいわ・・」と。
数日後、夜にジャックがガレージにいるとアニーが自転車に付けたベル(キャッシュから渡されたベル)を鳴らしていた。
そしてその後にジャックは近くの店へ買い物に行ったのだが、店員があのキャッシュだったのである。
「きらめきは短いものだぜ!」とキャッシュが言うと、ジャックは
「もう元の人生には戻らないぞ!子供たちが待っているんだ!」と言って店を出るのだった。
帰ったジャックは子供たちの寝顔を愛しく見つめ、ベッドにいたケイトに告げるのだった。
「僕のことを忘れないでくれ・・大切なこの時を失いたくないんだ・・」
夜の犬の散歩でジャックは、あの時の様に雪が降ってくる空を見上げる。
部屋に戻ったジャックだが、ベッドに眠ると元に戻ってしまう気がしたのでソファーに腰掛ける。
電話の音に目が覚めたジャックは、元の人生に戻されてしまったことに気付いた。
急いで愛車フェラーリでケイトと住む家へ向かうが、そこには全く別の人が住んでいたのである。
元の社長へ戻ったジャックは秘書の呼び出しで会議へ向かい、みんなに指示をした後すぐにケイトの住んでいる場所を調べて向かうのだった。
そこには現在のケイトが居たのだが、ちょうど弁護士事務所をパリに移す引っ越しの準備をしている最中だった。
つい昨日まで家族だったのにもかかわらず、そこにいるケイトは全く他人のような そっけない態度であった。
昨日までのあの家族との幸せは、いったい何処へ行ってしまったのかショックを受けたジャック。
いったんそこを出て帰ったが、やはりケイトと家族になって過ごした幸せをこのまま失いたくはなかった。
思わず飛び出して空港へと向かったジャックは、出発ゲートに入ろうとしているケイトを見つけるのである。
「ケイト!僕たちの子供は二人いて、上は女の子でアニー、下は男の子でジョシュで二人とも頭がいいんだ!」
とケイトに向かって大きな声で訴えるジャックだった!
「今ここで君が行ってしまったら、あれは全て消えてなくなってしまうんだ・・」
ジャックの必死な訴えにケイトは心を打たれ、ジャックとコーヒーをしにいくのだった。
完ーー
いやぁ~ラストはハッピーエンドで終わってよかったですが、この物語を観て何となく身につまされる中年の方々もいたでしょう。
あの時あの人を選んでいたなら、もしかしたら今はこういう幸せがあったのかもしれない・・とか。別の選択でなら、きっとこうなっていっただろうなど・・
もちろん、自分にも遠い昔に「もし、あの時こうしていたら今は・・」という想像はいくつか頭に浮かぶものです。あの若い時を想えば
しかし現実的には、今までの人生はこの一つだけであり 既にやり直しができませんから仕方がないことなのですが、この物語みたいに別の(もう一方の)人生ならどうなっていたのか・・とても知りたい気持ちも湧くものです。
ところでこの物語の中で一つ不明に思うことがあると思いますが、結局のところキャッシュという黒人青年は何だったのでしょうか・・
あれは、いわゆる天の使いである「天使」というわけだったのでしょうかね?
*今回も一部スクショを取入れてます。