「ホワイトタイガー」
WHITE TIGER TANK
2012年 ロシア
日本題名(副)ナチス極秘戦車・宿命の砲火
アメリカ映画に比べてロシア製の映画というのは、ほとんど観ないものです。ヨーロッパ戦線のゲームにハマっていたことがありましたので、第二次大戦・東部戦線(ソ連軍対ドイツ軍)については少なからず知っていました。
そのため、戦争映画「プライベート・ライアン」と同様に、その出来栄えを大いに期待しながら鑑賞にしたことは確かです。
しかし、これは単なる戦車戦物語ではなく、何かスピリチュアル的な訴えをシナリオとしている作品でした。
単純に、当時の戦車(T-34やタイガーI戦車)が出てくるのが好きだという戦車マニアの方にも良いかもしれませんが、不思議な性質を持つ戦車兵と亡霊の化身の様な戦車の物語という点が普通の戦争映画とは異なっていました。
また、登場人物はカッコいい俳優とは真逆であるところも、リアリティの味が出ていて本物の兵士に見えてきます。ほとんど知られていないロシア俳優ばかりのキャストなので、戦争の物語だけに集中できます。
スタッフ
監督 :カレン・シャフナザーロフ
脚本: アレクサンドル・ボロジャンスキー
カレン・シャフナザーロフ
原作 :イリヤ・ボヤショフ
製作 :カレン・シャフナザーロフ
音楽 :ユーリ・ポテイェンコ
コンスタンティン・シェヴェレフ
撮影 :アレクサンドル・クズネツォフ
キャスト
アレクセイ・ヴェルトコフ
ヴィタリー・キシュチェンコ
ヴァレリー・グリシュコ
ヴラディミール・イリン
それでは簡単に物語を思い出して観ていきましょう。
【 あらすじ 】かんたんに
第二次大戦・東部戦線の末期
ソ連軍はドイツ軍を圧倒しながらベルリンへ向かって侵攻していた。
ある戦場跡で大やけどを負った一人の戦車操縦士が見つかった。
その男は酷い火傷(全身の90%)していたにもかかわらず、不思議と生きていたのだ。3週間で急激に火傷は回復していったのも、また不思議なことだった。
彼の記憶も記録も分からない軍は、彼をとりあえずナイジョノフと名付けた。
目まぐるしい回復によって、再び戦車兵へ戻された彼は「戦車の声が解かる」と言い出す。
15両のT-34戦車や新型IS戦車が、謎のドイツ戦車「ホワイトタイガー」に撃破された。
本部はT-34-85の強化型を製作し、スミルノフ大将に謎の戦車撃破の命令を下す。
新しく前線に回復したナイジョノフは配属され、その噂を聞いたスミルノフ大将が会いに来た。
大将は不思議な戦車兵のナイジョノフを「ホワイトタイガー」撃破用に改良された「T-34-85改」のリーダーを命じた。
「奴は必ずここに現れます!」
大将は不思議な予言をするナイジョノフを信じ、現れるのを一緒に確かめようとした。
やがて、霧の中から静かに現れる1台の戦車。
大将は写真を撮ろうとしたが、突然カメラは壊れてしまい撮ることはできなかった。
待機していた応援のT-34は、現れた謎の戦車「ホワイトタイガー」へ攻撃するが、返り討ちになってしまった。
ナイジョノフの改良型T-34は、知らぬ間に背後を付かれて後方を撃たれてしまったが、なぜかトドメは撃たれず、それは消えていった。
「戦車の神様が私を助けるのです・・」
精神病みたいな事を話すナイジョノフだったが、大将だけが彼をバカにできなかった。
いよいよベルリンが目前になり、総攻撃が開始されたが「ホワイトタイガー」が出現する。
次々と撃たれる戦車部隊の中に、ナイジョノフの戦車が勝負を挑んだ。
「ホワイトタイガー」を追って廃墟となった村に出たナイジョノフの戦車は、隠れていた1台の戦車を撃破した。しかし、別のドイツ戦車だった。
ナイジョノフは突然慌てて舵を後ろに回した。背後に奴が現れていたのだ。
先に砲撃されるが、うまく避けられた後 こちらの1発が奴に命中!
トドメを撃とうとしたが、泥に砲塔が詰まってしまい暴発。
「ホワイトタイガー」は後退しながら再び消えていった。
ベルリンへ侵攻が達成したソ連軍は、ドイツ軍へ「無条件降伏書」を取り交わす。
これで東部戦線は終わりを告げる。
スミルノフ大将は、まだ戦車と共にいるナイジョノフのところへ向かった。
T-34の中で整備をしているナイジョノフを見つけると
「ナイジョノフ少尉、もう戦争は終わったんだよ!」
しかし彼は言うのだった。
「アイツは何処かで待っている。何十年でも消えずに・・」
* * *
ドイツ総統が語っている。
「戦争が終わることはない・・」
– 完 —
いや~!解からないことが沢山ありましたが、ソ連軍の総攻撃の様子は全く迫力のある作りになっていましたね~
戦車兵の主人公はなぜ回復力が人間離れしていたのかという点と、謎のタイガー戦車は何処へいったのかという不明な点は誰でも疑問と残ったものでしょう。
私個人としては、解りやすい少しのヒントでもあればもっと良かったのにと思いましたが、アメリカ映画とはやっぱり違いますので仕方ないと捉えることにしました。
<*今回も部分的にスクショを取入れています>