子供の頃の飼い犬を思い出してホロリとさせられた邦画「南極物語」




 南極物語 
ANTARCTICA

昭和58年  1983年 ロードショー

当時、この映画を観に行ってから後になって実際の出来事を元に
作られた映画だったことを知ったのでした。

厳寒の世界でひとつの季節を越すことは、犬にとっても厳しいものだったと
子供の時に家で飼っていた犬の事を想い出してホロリとしたのです。

その昔、飼っていた犬は真冬の中、綱が外れて何処かへ居なくなってしまい
その後何日も行方不明でした。ある雪の晴れた朝、玄関を叩く音は どこで生きていたのか
帰ってきた我が家の犬が雪水に濡れた体で立って居た姿でした。

この映画を観た時は、まさにその時の「厳寒の中を生きて帰ってきた我が家の犬」を
強く想い出させるものでしたね~!

寒い環境に慣れている動物、シロクマやアザラシ、ペンギンなどは南極で平気でしょうが
いくら樺太犬とはいえ、何ヶ月もの間 家も無いところでは厳しい状態だったでしょう。

また、そして 今は亡き名優も出演していましたですなぁ~!夏目さんなど。

キャスト

潮田 暁 役      高倉 健

越智 健二郎      渡瀬 恒彦 

小沢隊長        岡田 英次

北沢 慶子       夏目 雅子

志村 麻子       荻野目慶子

森島教授        日下 武史

掘込隊長        神山 繁

岩切船長        山村 聡

徳光隊員        江藤 潤

戸田隊員        佐藤 浩二

宗谷航海長       寺島 達夫

スタッフ

プロデューサー   森島 恒行

          蔵原 惟二

監督        蔵原 惟繕

製作指揮      日枝 久

脚本        蔵原 惟繕

          野上 龍雄

          佐治 乾

          石堂 淑朗

撮影        椎塚 彰 

音楽        ヴァン・ゲリス

ロケ地も厳寒の地への遠征は、本当に凄いものだったとプロダクションノートに
記されてあります。

南極の昭和基地設定は北極カナダ領の厳寒の地だったそうで、氷原をスノーモービル
とソリで行き来しブリザードに吹かれ、全く見えない中 セットへ通う過酷なロケ撮影
だったようですね~!

この頃には厳しい環境へ臨む根性がある撮影隊が居たことが、このプロダクションノート
で分かります。

CGでは表わせない厳しいこの環境での映像作品は、本物のロケ撮影だからこそできるもの
なのですよね~

タロージロー物語としても有名になった物語ですが、今回のこの作品は上記の通り
半分ドキュメンタリー作品といえるかもしれませんね!

それではここで、ストーリーを簡単にパンフレットから見てみましょう

【あらすじ】簡単に追想

昭和31年、世界64カ国が共同して地球観測を行うことに
日本も参加することになった。

53名の第一次観測隊と共に、たくさんの樺太犬も宗谷に乗せられ
南極の昭和基地へ派遣されていた。

昭和33年2月、第一次越冬隊の潮田越智がブリザードの中
犬たちの点検を行っていた。1年間共に過ごしていた15匹の犬たちを
次期訪れる越冬隊に引き渡すのであった。

規律を正すのに厳しいムチをふる越智だが、潮田も越智も共に
犬たちに深い愛情を持っていた。

越冬隊の交代がきたある時、第一次隊員は基地を後に宗谷へ乗り込んだ。
しかし、例年にない悪天候に見舞われて交代ができなくなった。

USA氷砕船に助けられ、宗谷が動けるようになるが第二次越冬隊は
昭和基地への上陸を断念するしかない。
艦内放送を聞いて、越智と潮田が飛行機(昭和号)を基地へ飛ばす懇願をする。

置いてきた犬を見殺しにできない。

しかし、帰還する燃料しかない宗谷からは既に余裕が無かったのだ。

帰国した越智と潮田は、犬を置き去りにした罪悪感と非難が迫った。

しかし、二人はどうすることもできないのだった。
ただ、じっと耐えるしか。

帰国後、潮田は樺太犬の提供者を訪問しお詫びをし回る。
飼い主からの苦い気持ち訴えられることも体験するのだった。

その頃、鎖で繋がれた犬たちが次々と自力で鎖から脱出するのだが
なかなか外せない犬たちもいるのだ。

放たれた犬たちが基地の中へ入り、人間を探すがどこにも居ないのだ。
やがて、自由になった犬たちは狩りをし始める。

ジャック、アンコ、シロ、リキ、クマ、タロー、ジロー、デリー

氷上に打ち上げられた魚などを取って食べるが、危険な地帯で
氷水へ呑まれてしまう犬もいたのである。

こうして過酷な世界でのサバイバルが、生き残った犬たちにもあったのだ。
チームワークでアザラシを狩ることも覚えたり
南極に現れるオーロラの姿に、犬たちは怯えることも経験していた。
次第に数が少なくなっていく仲間たち。

一方、京都に居た越智は、潮田の陳謝訪問について耳にした。
婚約者の慶子は、そんな彼を淋しそうに見ていた。

そして、ついに第三次観測隊の結成が発表される。

越智と潮田は、進んでその隊へ申し込んでいった。

宗谷が再び南極へ出発することになり、二人は気持ちが破裂しそうだった。

さっそく、二人は宗谷からヘリで基地へ飛ぶ

基地で見た光景は、鎖で繋がれたままの数匹の死骸だった。
二人は気落ちしたが、他の犬たちが気になっていた。

ふいに見上げた丘の上、2つの動物の姿が見えた。
駆け寄って来る2匹の犬たち、
それは、唯一生き残った タローとジローの兄弟だったのだ。

この映画の音楽を思い出しましたか?南極で走る犬たちのBGM

いや~! 最後の再開場面には世界中が感動の拍手をしたのが
納得できますよね~!

昭和34年1月のニュースで、この実際の物語は世界各国の新聞で
報道されて絶賛されたようでした。

以前、2010年代にTVドラマでも同じ物語が作られていましたね。
時代の流れで、新たな物語になっていたかもしれませんが
感動的なシナリオには変わりありませんでしたよ。

そしてタローとジローは石碑となって、この世に残っているのですね~!

*   *   *

今回もご一緒に追想いただき、誠にありがとう御座いました。