コメディタッチの夢のSF作品だった「インナースペース」1987年




『 インナースペース 』
INNER SPACE 1987

昭和62年  1987年  アメリカ 作品

1966年に『ミクロの決死圏』という映画が製作され、その斬新な発想に大ヒットし
私達日本でも知られるほど有名な作品になりました。

治療する人員をミクロ化して、人間の体内へ送り込み
脳内の損傷を治療するという物語で、医学的にも興味を引くものでした。

この『インナースペース』という作品もミクロ化という技術を開発し、
人体を内部から治療できるという画期的な最新技術を題材にしたSF映画でした。

ミクロ化という夢の技術を題材にした映画は、2000年代もヒーローもの等で
いくつか製作されていますが、医学的に興味をひかれるのは、やはり
こういった体内の中へ繰り広げられるシナリオになるでしょう。

あくまでも想像上のシナリオですが、「ミクロの決死圏」の時代よりは
SF的映像技術がかなり違っていることが判ります。

しかし、こういう技術は全くSFとは言えない時代になるかもしれませんよね~
2000年代を過ぎて今では、大きな物質をミクロ化することは不可能でも
小さな医療器具を作ることは可能となっていますからね~!

キャスト

タック少佐役      デニス・クエイド

ジャック・パター    マーチン・ショート

リディア        メグ・ライアン

ビクター        ケビン・マッカーシー

キャンカー博士     フィオナ・ルイス

アイゴー        バーノン・ウェルズ

カウボーイ       ロバート・ピッカード

 

スタッフ

製作総指揮     スチーブン・スピルバーグ 

          ジョン・ピータース 

          ピーター・グーバー

製作        マイケル・J・フィネル

監督        ジョー・ダンテ

脚本        ジェフリー・ボーム

撮影        アンドリュー・ラズロ 

音楽        ジェリー・ゴールドスミス 

それではここで、あらすじを簡単にパンフレットから見てみますね。

【あらすじ】簡単に追想

アメリカはサンフランシスコ。ここにベクター・ラボ研究所があり
世紀の大実験が開始されようとしていた。

元軍のパイロットであるタック少佐は、実験用探査艇K2に入り
科学者オジーの合図で実験開始された。

2枚のマイクロチップ、その1枚はK2に組み込み
もう1枚はコンピュータにセットされていた。

光に包まれた探査艇K2は、回転させられると
突然に姿を消してしまった。

実験は成功だった。消えた探査艇K2はミクロ化されて
注射器の中へ入っていたのである。

顕微鏡で確認すると、確かに探査艇は注射器の中に居た。
そこで、ウサギの体内へ注射する予定だった。

しかし、そこへキャンカー博士のスパイ団が現れて
技術者は次々と襲われ1枚のマイクロチップが奪われた。
これはキャンカー博士の横取り計画だったのだ。

オジーが注射器を持って逃げだしたが、ショッピングセンターで
スパイ団の用心棒アイゴーに撃たれてしまう。

追いかけてくる追手に、オジーは倒れる寸前に出会った男に
その注射を放った。

スーパーマーケット店員の男、ジャックは突然注射されて
オジーの最後に驚いた。

こうしてタック少佐を乗せた探査艇K2は、ジャックの体内に
入れられて漂うことになった。

気がついたタック少佐は、ジャックの体内と知らずに探査艇K2を動かす。
探査艇K2が移動するたびに、ジャックの体に刺激が走り
気分がおかしくなるジャックだった。

タック少佐は、人間の体内だと知らず探査艇K2を走らせているが
やがて目の位置へ移動したとき、何者か人間の中だと知った。

そして探査艇K2の酸素残量も24時間ということも判明した。
なんとか知らせるために、耳へ向かい人間に知らせようとする。

スパイ団はジャックに注射されたことを知ると、急いでアイゴーへ
連れてくるように命じる。
目的は、探査艇K2に組み込まれたマイクロチップだった。

タック少佐は、自分の恋人でジャーナリストのリディアと逢う事を
ジャックへ頼む。

しかし、ジャックの体内へ侵入し探査艇K2からマイクロチップを
奪う計画がたてられていた。

スパイ団に捕まってしまったジャックに、ミクロ化したアイゴー
入れられてしまった。
そしてアイゴーはジャックの体内でタック少佐を乗せた探査艇K2を追う。

その頃、ジャックとリディアはキャンカー博士とスパイ団の黒幕から
追われていて、必死で逃げていた。

アイゴーを乗せた艇は、タック少佐の探査艇を見つけると突進して
襲ってきた。タックは危機一髪、アイゴー艇を押し返すが
再び現れたアイゴーに、ドリルで穴を開けられようとしていた。

胃液の海の上で、必死に掴まり耐えていた探査艇だったが
ドリルで穴を開けられてしまう前に、どうにかしなければ・・

とっさにタック少佐は、胃液の海へアイゴーとも落ちる決断をする。
胃液の中に落ちたアイゴーは、たちまち強い酸によって溶けてしまう。

どうにか生き延びたタック少佐は、鼻へ向かい
ジャックのくしゃみによって、外へ出られた。

メガネに付着した探査艇を実験室へ。
無事に元の探査艇の大きさに戻せ、タックは恋人とジャックと
出会える事ができたのだった。

いや~! SFあり、コメディありで面白いシナリオの作品だったと思い出します。
さすがコメディアンのマーチン・ショートだけあり、リアクションが大変
面白いものでしたね~

実際にはどうなんだか、解らないことなのでしょうけど 解っている想像の範囲で
人体の各部分をうまい具合に映像化していた、この時代にしては凄いことだった
のではないでしょうかね!
(細かいことは無しにして・・)

コメディタッチなSF映画をスピルバーグ監督が関係していたことは、当時
意外さを感じたものでした。

*   *   *

今回もご一緒に追想いただき、誠にありがとう御座いました。