ひたすら西へ向かい歩き続ける目的はただ一つ・映画 ザ・ウォーカー




ザ・ウォーカー
原題 THE BOOK OF ELI

2010年度  アメリカ作品

30年という気の遠くなるような長い年月を、ただ西へ向かってひたすらに歩き続けてきた独りの男。日本での映画名が「ザ・ウォーカー」という題名だったので、何で歩き続けているのか単純に興味があったので観てみようと思った作品です。

世界が終わった後の荒廃した世界を描くSF作品は「マッドマックス2」を一番に最初に思い出しますが、この作品はあれほど凄まじいシーンはありません。

やはり物語としては街を支配する悪役は当然に登場し、主人公と闘いになるというお決まりのシナリオではありますが、他のと少し違った点は「最後は悪役を倒す!」というのが無かったということです。

しかしラストは悪役の思い通りにはならなかった「意外な落ち」はありますので、それは面白い点ともいえるでしょう!

*STAFF*

監督 –アルバート・ヒューズ /  アレン・ヒューズ

製作総指揮 — エリック・オルセン / スティーブ・リチャーズ / スーザン・ダウニー

製作 — ジョエル・シルバー / アンドリュー・ A・コソーヴ / ブロデリック・ジョンソン
デンゼル・ワシントン / デビッド・バルデス

脚本 —  ゲイリー・ウィッター

*CAST*

イーライ – デンゼル・ワシントン

ソラーラ – ミラ・クニス

ビリー・カーネギー – ゲイリー・オールドマン

レッドリッジ – レイ・スティーブンソン

クローディア – ジェニファー・ビールス

それではさっそくこの物語のあらすじを、映画パンフレットを観ながら想い出していきましょう・・

【 物語 簡単なあらすじ 】

ある森の中、餌を探している一匹の山猫に矢が突き刺さった。独りの男・イーライが放った狩りの矢だった。

この世界が崩壊してしまってから30年、この独りの男・イーライは、歩き続けている。この荒廃した世界を生き抜き、ただひたすらに歩いてきた。西へ西へと・・

歩き通ってきた街やハイウェイには、遺棄された遺体や無数の車が転がるそんな世界だった。彼は野宿をしながら狩りで捕った獲物を焼いて空腹を満たしてきた。

ある壊れた家屋に入ると、既に亡くなっていた者からちょうど自分にピッタリの良い靴を交換できた。このようにして彼は30年もの間を生き延びてきたのである。

今夜も捕った山猫を焼いて夕食にし、出てきたネズミにもご馳走した。そしてイーライは、毎晩欠かさずに重たげな分厚い一冊の本を読んで寝るのである。

***

ひたすらに西へ西へ歩いていく日々。ある時ショッピングカートに繋がれた女性が助けを求めている所に足を止めるが、それは略奪者らの罠であった。

何人もの男たちが出てきてイーライを脅すが・・。

俺に手を出すな!その手が無くなるぞ!」イーライは警告した。

そして、手を出してきた奴に対し、一瞬で腕を切り落としたのだっだ!

イーライの手には鋭い剣が持たれていた。その剣さばきは「長年生き永らえて得てきた強さの証」だった。

次々と襲い出した連中でも、イーライはあっという間に倒してしまう強さだった!

そしてまた西へ向かってひたすらに歩くのである。

ある日とある街にたどり着いた彼は、音楽プレーヤーのバッテリーを充電できないかと店を尋ねた。

充電に時間はかかるが、どうにか依頼を受けて貰えることになり、その間に向かいのバーへ水を買いに行った。

よそ者だと一目で分かるイーライは、バーに集まっていた連中に目をつけられて囲まれてしまう。

しかしやはり、長い年月を孤独で生き抜いてきた彼の強さに勝る者はいなかった。

あっという間に何人もの連中を倒したイーライに、上から声がかけられた。

一人で彼らを倒してしまうとは実に大したものだ! いったい君は何者だ?

上から声をかけたのはビリー・カーネギーという、この街を支配している男だった。

そしてカーネギーはイーライを招くと、ここの用心棒に雇いたいものだと一晩ゆっくり泊まって考えてくれと誘ってきた。

久しぶりのきちんとした部屋とベッド。イーライも荒廃してしまう前の世界を想うのだった。

間もなくそこへ、若い女性が夕食を持って訪れた。カーネギーが一晩相手にさせることで誘惑させようと送り込んだ、盲目の愛人クローディアの娘ソラーラだった。

しかし、その気がないイーライはソラーラと一緒に夕食を摂った後、いろいろと世界の事情を教えてあげる。

翌朝、ソラーラの話からイーライが大切に一冊の本を所持していると知ったカーネギーは、その本を彼から奪おうと思うのだった。

充電をしてくれた店から出たイーライは、カーネギーらに囲まれて攻撃を受けるのだったが、どうにか彼が反撃で勝った。

再び西へ向かうイーライに、後を追いかけるソラーラがいた。

私も連れて行ってくれれば、水の湧く場所を教えるわ!

ソラーラと水の湧く場所に行って十分な水を手に入れたイーライだったが、鍵を閉めてソラーラを置いて去っていく。

彼女は仕方なく独りで歩き始めるが、あのショッピングカートに繋がれた女性を見つけ略奪者の罠にかかって犯されそうになる。

そこに何故かイーライの登場でソラーラは救われ、結局一緒に進むことになったのだ。

砂漠を歩いていくとポツンと一軒の家が建っていた。そこで二人は入ろうとするが、落とし穴に落ちて老夫婦の住んでいる家だと知る。

夫婦は歓迎する様にもてなしてくれるが、そのうち訪問者を食する恐ろしい老夫婦だとイーライは気付く。

しかし、その頃には既にカーネギーたちの装甲車が家に迫っていたのだ。

仕方なく家に籠って攻撃に耐えるが、カーネギーらの装備する強力な武器には敵わずに降参となってしまう。そして、大切にしていた一冊の本は奪われ、イーライはカーネギーに撃たれ倒れてしまう。

そしてソラーラは捕らわれ、カーネギーらは去っていくのだった。

街へ戻っていく途中、ソラーラは隙を見て運転手を襲い車は横転。ソラーラを欲しがっていたカーネギーの片腕役も倒れた。

それを見たカーネギーは、抵抗する彼女を諦めて仕方なく街へ戻っていくのだった。

ソラーラは急いであの家に戻っていくが、すでにイーライの姿はなかった。撃たれた箇所が運良かったのか、どうにかイーライはまだ生きていたのだ。

ソラーラは傷付きながらも西に向かって歩いているイーライを見つけ、再び一緒に西へ西へと目指すのだった。

そしてついに二人は西の端(昔のサンフランシスコ)に辿り着く。

イーライが何故知っていたのか分からないが、そこにあるアルカトラズ島が目指す目的地であるという・・

その遠い昔、刑務所だったアルカトラズ島は今、文明の再開を目指している組織が作られている所であった。

事情を話したイーライとソラーラは島に入ることを許可され、ここの学者へ貴重な本の内容を伝える長年の使命を果たす時がきた。

世界が荒廃し全てのバイブルは一冊残らず焼却されてしまったが、唯一残っていたのがカーネギーに奪われた一冊だったのである。

しかしイーライは、長年の間に分厚い一冊の本の全てを覚えていたのだ!

学者はイーライが語る一字一句を書き留めていった。それは何百枚もの用紙となり、印刷機にかけられて正に復活の一冊となった。イーライの命が尽きると共に・・

一方、イーライから奪った本の鍵を開けることができたカーネギーは喜び早速に本を見るのだが、大きなショックを受けるのである・・

そう、その本は全て点字で作られていた本だったのだ!

カーネギーは盲目の愛人クローディアに本を読めと命令するが、彼女は読めないと答えた。

ソラーラはイーライのお墓に彼の剣を継ぐ志を告げ、母クローディアを救いに再びカーネギーの街へ向かっていくのだった。

ーー 完 ーー

最初は何の目的で歩き続けているのかというのが興味ありでしたが、後半になって一冊のバイブルを西へ届けるためだと知るといろいろと疑問点が出てしまうものでした。

また細かく言えば切りがないですが、主人公の世界崩壊時や事後30年間も冒頭にあれば良かったかなと思いました。

ヒーローものではなかった点で、最後には悪役を倒すというのは無くて良かったかもしれません。


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*今回も一部スクショを取り入れております。