『エクスタミネーター』
THE EXTERMINATOR
昭和56年 1981年ロードショー作品
「エクスタミネーターとは闇の処刑人のことである」
このパンフレット表紙をめくると、そのすぐ裏に記されているのでした!
「ターミネーター」という映画もありましたが、それとは意味が違うんですね~
こちらは人間の処刑人のことで、機械ではありませんでした。
この映画パンフレットを見て想い出す事は、憎っくき悪者を処刑する物語
チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」っていう映画もそういえばあったなぁ~
という記憶ですね~!
その作品はこの映画よりもだいぶ前に作られていて、TV映画で観たことがあり
ストーリー的に似ているので興味があったのです。
ヒーローというものではなく、普通の一般人がこっそりと敵討ちをするものなので
小さな子供達には、あまり適さない映画だと思います。
どちらかというと、暗い地味なイメージの分類に入る映画っていう感じもします。
この1980年前後の年は、各映画界は凄い作品が次々とあったので
その中でこの作品はスタッフもキャストも若いほとんど無名の人で制作されて
非常に大ヒットするには厳しい状況だったのですよね~
映画の冒頭は、あの「地獄の黙示録」を思い出させるベトナム戦の激しい光景
そして子供には適さないグロテスクな斬首シーンなど、今でいう15歳以上の
鑑賞年齢制限が付くような場面もけっこうある作品だったのです。
主人公ジョン(エクスタミネーター)が使用する武器もまた凄いものでした!
戦争帰りということなのか、軍が持っているような武器をケースの中にきれいに
しまってあり、悪玉の処刑に持ち出すのです。
M-16 A1ライフル
軽く小さいが威力は大きい、当時の米軍使用品
S&WモデルNo29 44マグナム
この銃にダムダム弾という水銀入り弾丸を使用すると、グリズリーでさえ一発
火炎放射器 カートリッジ式ボンベ使用
キャスト
ジョン・イーストランド役 ロバート・ギンティ
マイケル・ジェファーソン スティーブ・ジェームズ
スチュワート女医 サマンサ・エッガー
ダルトン刑事 クリストファー・ジョージ
チキン トニーデ・ベネデッド
ジーノ ディック・ポッチェリ
CIA パトリック・ファレリィ
スタッフ
監督 ジェームズ・グリッケンハウス
制作 マーク・バンツマン
脚本 ジェームズ・グリッケンハウス
撮影 ロバートM・ボールドウィン
音楽 ジョー・レンゼッティ
それでは、このパンフレットを見ながら簡単に物語を
観てみましょうかね。
【あらすじ】簡単に追想
地獄のベトナム戦線、泥沼の戦い
アメリカのレンジャー部隊 陸軍144隊。夜の闇にゲリラ戦を展開、
ベトコンに捕まり捕虜となっていたジョン・イーストランドは仲間と
両手両足を縛られて、尋問されている。
なかなか口を割らない部隊の一人に鋭い刃が首に。
そしてその仲間の首は無残にも割れて落ちた。
それを見てジョンは思わずアメリカ軍の攻撃日を答えてしまった。
よし、よく答えたとジョンに近づきジョンの首に刃を。
その瞬間、仲間のマイケル・ジェファーソンが自分の縄を解き
見張りの傭兵に襲いかかった!
とっさに小銃を奪い、もう一人もマイケルが退治してくれ
ジョンの縄を解いてくれたのだった。
救出ヘリに乗った二人はベトナムのジャングルを去って行った。
アメリカ ニューヨーク
時は経過し、ジョンとマイケルは運送会社で働いている。
ある日、ジョンは倉庫あらしにナイフを突き付けられたが
そこへ再びマイケルが助けに入ったのだ。
「これで二度目だな!」ジョンはマイケルに言った。
マイケルは帰還後に精神的な不安も見せず、家族と普通な生活ができているが
ジョンは今でもベトナム戦の苦しいショックを引きずっているのだ。
そしてその後日、そいつらがマイケルに仕返しをしてきたのである。
マイケルは病院へ運ばれ、植物人間のようになってしまった。
しかし警察の力は何も進まなかった。
2度の命の恩人をこんな目にした連中にジョンがついに決意する。
ジョンは犯人の一人を見つけ、火炎放射器で炙りアジトを吐かせる。
いよいよジョンはアジトへM16自動ライフルを持ち乗り込んだ!
軍用マシンガンにあっという間に復讐は果たされたのだった。
悪党どもを処刑したジョンの心にベトナム戦争の燃える心が
蘇ってきたのである。
この街のすべての悪党どもを処分してやる!と。
ジョンはギャングのボスをターゲットにした。
レストランのトイレからボスを挽肉工場へ連れてきて
汚い金を奪おうと金庫の番号を白状させ、そのままミンチ機へ落とした。
番犬との戦いを脱し、どうにか金庫を開け金を奪う。
ジョンは悪党どもを処刑するとTV局へ手紙を出すと
それから間もなく、ついにCIAが動き始めたのである。
ジョンは次にターゲットとしたのは、汚い闇の面を持つ州議会委員。
闇の風俗店チキン屋にマグナム44と水銀入りダムダム弾で乗り込む。
大動物をも砕くダムダム弾を喰らった人間は木端微塵となってしまう程
凄まじい威力であった。
警察のドルトン警部はM16マシンガンから、処刑人である犯人
エクスタミネーターを推測している。
陸軍と断定できたのだが、その退役軍人数は2000人もいたのだ。
夜、エクスタミネーター(ジョン)は老婆を襲っていた悪党どもを尾行し、
車ごと葬り去った。
そしてある日、マイケルの病院へ呼ばれてジョンは見舞いに行き、
彼の要望に従い、人工呼吸器のスイッチを切ってあげた。
ついにドルトン警部はジョンの事を調べ、犯人だと悟るとジョンの家へ行った。
しかし、部屋にはジョンは居ない。
そこへジョンからの電話が鳴る。ドルトンに海軍工場に独りで来いと。
ドルトンが着くとジョンが飛びかかってきたが、ジョンは自首する気だった。
マイケルの呼吸器が止まった時点で、すでにジョンの復讐は終わっていたのだ。
ジョンがドルトンへ銃を渡そうとした時、他からの銃声が鳴った。
銃弾はジョンの体に当たった。
(独りでくるはずのドルトンが罠だったのか・・?)
「ジョン逃げろ!」 ドルトンが言うと
暗い闇の海へジョンは落ちていった。
完
いや~!凄まじい悪人処刑の方法でしたね~(なんとも過激な復讐劇)
この映画がロードショーされた当時のこと、我が町に暴走族って連中がいまして、
夜の勉強や宿題中にちょうど通ったりして、それはそれは、うるさくって~
こういうターミネーターが来て、連中を処分してくれないかなぁ~なんて
思ってしまったものでしたね~
この映画を観に行って、ちょっと過激な処刑でしたが、現実のうるさい連中らと
重ねた思いで、スカッとした気分になったのでした。
それと今、ニューヨークの街について想い出しましたが、
私が青年になった頃の事、この街に行ったことがありまして
安ホテルだったため路地裏みたいな危なさそうなところを
通って行ったんですよね~
ビルとビルの間の水たまりのある薄暗い通り道です。
そう、この映画みたいによく出てくるような情景です。
そこへビルとビルの間に風が吹くと新聞が舞うんですよね~!
早歩きで歩いていくと、壁に背もたれで座る黒人さんが見えてきて
思わず走って抜けていきましたね~!
いや~怖かったのを覚えてます。
ちなみに、この作品は1984年に2作目も作られているようですが
観に行ってたかどうかは記憶がありません。
(後にパンフレットが出てきたら行ったと思いますけど・・)
* * *
今回もご一緒に追想いただき、誠にありがとう御座いました。